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恩師盧植の失脚
頴川(=現在の河南省。豫州。記事下の地図参照。)の朱儁のもとを去り、恩師蘆植が駐屯している広宗(=現在の河北省。冀州。)に戻る途中、劉備は官兵の行進に出くわします。
よく見てみると、その官兵は一台の檻車(=檻を乗せた車。)を護送しているのでした。
官兵は横柄な態度で、劉備たちに道を譲るよう怒鳴りつけます。
朱儁に対する怒りがまだ収まっていない張飛はたやすく激昂し、官兵の不遜な態度を咎めます。
今度は、それを関羽が落ち着かせます。
檻車の中の人物が誰かを劉備が尋ねると、なんと官兵は、盧植を都洛陽まで連行するところであると答えたのです。
三兄弟は唖然としました。
劉備が盧植との面会を求めると、官兵はのらりくらりと返答をします。
関羽は劉備に耳打ちします。
劉備は仕方なしに関羽に目配せし、官兵を買収して盧植との面会にこぎつけるのでした。
盧植は涙ながらに、劉備に訴えます。
貴公が広宗に到着したころ、都の勅使(=天子(皇帝)の使い。)左豊がやって来た。
私が賄賂を渡さないので、腹を立てた左豊はあることないこと都に奏上し、私はこうして逮捕されてしまったのだ。
よいか、玄徳(=劉備の字。)。
洛陽の高官どもは己の栄達しか考えておらぬ。
賄賂が横行して、黄巾賊に買収されている役人さえいるくらいである。
どうかお前は心の清いまま、大志を忘れることなく民の窮状を救ってほしい。
漢の国の政治は腐敗していました。
黄巾賊が跋扈して民が困窮するのも、すべてはここに原因がありました。
突然、張飛は檻車に近づき、力づくで鉄柵をこじ開けようとしました。
劉備が一喝します。
張飛の無念は痛いほど分かっていました。
しかし、劉備は敢えて大きな声で張飛を叱り付けることで、反乱の意思がないことを官兵に示そうとしたのでした。
劉備は心の中で、張飛に向かって訴えかけます。
いまここで先生をお救いすれば、反逆罪を被って盧植先生のお言葉を遂行することが叶わぬ。
張飛、今は耐えるのだ、いまは・・・
三兄弟は護送される盧植の姿をいつまでも見送り、漢に横たえる病根の深さに思いを致すのでした。

劉備、董卓の危機を救う
戻る場所を失った劉備ら一行は、一時故郷涿県(=幽州涿郡。)に帰る方針を定めます。
道中、遠くの方で銅鑼の音が響きます。
劉備は張飛に物見をさせると、それは盧植の後任で派遣された漢の黄巾賊討伐軍が敗走しているところでした。
劉備は慌てて、この官軍を救出します。
官軍を率いていたのは董卓という武将で、字を仲頴と言いました。
高希希監督『Three Kingdoms』の董卓
董卓は劉備たちの姿を見、その素性を知ると、たちどころに冷遇したのでした。
義軍ごときに、わざわざわしが会うこともない。
なぜ取り次ぎの際によく確認をしなかったのだ。
董卓は部下を怒鳴りつけ、幕舎へ戻っていきます。
張飛はまた烈火の如く怒ります。
刀の柄に手をかけますが、劉備に制止されます。
張飛は涙ながらに叫びます。
なぜ我々は私兵ということで、行く先々でこのような恥辱を味わわなければならないのか!
この恥辱なしには、国に報いることはできないのか!
劉備たち一行は、とぼとぼと黄巾賊討伐の本部がある、朱儁将軍の元に戻るのでした。
西暦 | 出来事 | 年齢 | ||||||
劉備 | 孔明 | 曹操 | 孫堅 | 袁紹 | 董卓 | 呂布 | ||
前202 | 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。 | |||||||
前157 | 景帝が漢の皇帝に即位する。 | |||||||
168 | 霊帝が漢の皇帝に即位する。 | 7 | 13 | 13 | 14 | 30 | 7 | |
184 | 黄巾の乱が起こる。 | 23 | 3 | 29 | 29 | 30 | 46 | 23 |
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