【1日5分】あらすじ三国志48「曹操の葬儀」|大泉洋主演『新解釈・三國志』応援企画!

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三国志
大学で中国文学を学び、長年国語の教員を勤めてきた経験を活かして、分かりやすく、簡潔に、それでいて深イイ三国志のあらすじ紹介を行っていきたいと思います! 『三国志』に興味はあるけど小説を読んだりドラマを見たりする時間はない、でも簡単なあらすじだけではもの足りない・・・。 そんな方にはぴったりです!

 

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曹操、大火を背負う

呂布りょふに連敗をきっし、命からがら陣営に戻っていた曹操そうそうのもとに、ある日濮陽ぼくようの有力者田氏でんしの密書が届いた。

 

密書にはこうあった。

 

今夜未明、濮陽の城内を撹乱かくらんして城門を開くので、「義」の白旗が挙がり次第、城内に入って濮陽を奪還してください。

 

夜になって、曹操は濮陽の城が見える山林に隠れ、西門の城郭に「義」の大旗が現れるのを今か今かと待った。

 

田氏は城内工作に手こずっているように思われたが、宵が深まった頃、ついにその旗は揺らめいた。

 

曹操は黙して右手を振り下ろすと、夏侯淵かこうえん楽進がくしん李典りてんの軍は静かに前進した。

 

途中、李典が曹操のもとに駆け戻り、「どうも城が静かすぎます」と報告に来たが、その途端城門はゆっくりと八の字を描くように開き始めた。

 

曹操は「田氏は密書の通りにやっておる」と言って、李典の言は一蹴された。

 

曹操は抜刀ばっとうした。

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宵の静けさのためか、はがねさやれ合う音が闇を切り裂くようにきーんと響いた。

 

刹那せつな、曹操が「突撃!」と叫ぶと、前軍は濮陽の城に一斉に雪崩なだれ込んだ。

 

夏侯淵らの軍勢が城の内部に吸い込まれていく。

 

異変は感じられない。

 

しかし、曹操が城門の前に架けられた吊り橋を半ば渡った時、城内の各所から螺貝ほらがいの音が響いた。

 

兵士らは驚いて進軍を止めようとしたが、曹操は「止まるな、進め!」と兵士をかしたので、中軍の半分までもが濮陽の城の中に消えていった。

 

その時である。

 

月夜を遮るほどの火矢が天空から降り注いできた。

 

中には投げ松明たいまつも含まれていた。

 

それらは兵士や建物に引火し、即死する者、体に大火たいかを背負ってのたうちまわる者、錯乱さくらんして慌てふためく者があちらこちらに見受けられ、阿鼻叫喚あびきょうかんの様相を呈した。

 

そのうち、呂布の将兵が四方から現れ、運良く生き残った曹操の兵を片っ端から掃討して行くのだった。

 

曹操は濮陽の門を目指したが、退路はすでに火の海にさえぎられていた。

 

迂回うかいを繰り返していたので、ついには自分がどこにいるのかも見失ってしまった。

 

呂布の兵は迫ってくる。

 

曹操を守る命知らずの護衛たちも徐々にその数を減らし、とうとう3人が周りを固めるのみとなった。

 

その3人と言えども、体に矢を受けていない者はなかった。

 

悪来あくらい

悪来はおるか!

 

曹操は力の限り叫んだ。

 

しかし、敵味方が激しく入り混じる戦場にあっては、刀のぶつかり合う音、怒声どせい罵声ばせいうめき声、延焼して家屋かおくが焼け崩れる音などに遮られて、曹操の声はたやすくかき消されてしまった。

 

曹操は濮陽城の内部で、火の勢いと敵兵から逃れるように、右に左にさまよった。

 

その時、火に照らされて、赤々と燃え立つような毛並みの汗血馬かんけつばに乗った一人の武士もののふが、曹操に向かって進んできた。

 

曹操は息を飲んだ。

 

それは、赤兎馬せきとば(=呂布りょふの名馬。)に違いなかった。

 

曹操は死を意識した。

 

それは、滎陽けいようの敗戦以来の感覚だった。

 

いま反転して逃げれば、すぐに赤兎馬に追いつかれて斬り殺されてしまう。

 

曹操は左手で顔を覆い、さも味方の振りをして呂布の側を行き違おうとした。

 

その瞬間、曹操のかぶとにこつんという感触があった。

 

振り返ると、それは呂布の方天戟ほうてんげき矛先ほこさきであった。

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曹操はどちらに逃げた?

 

呂布は曹操に尋ねた。

 

曹操は引きつった声で、「あ、あちらの方に逃げて行きました」と呂布の向かう先を指差した。

 

呂布は何も言わずに、その方向に向けて赤兎を進ませた。

 

そうして、曹操はおもむろに駒の速度を速め、黒煙の立ち込める方に消えていった。

 

「や、怪しい奴・・・」と呂布が再び振り返った時には、すでに曹操の姿は見えなくなっていた。

 

危なかった・・・

 

曹操は、駒の腹を何度も何度もむち打ち、体からしぼり出すようにしてつぶやいた。

 

その後、悪来と合流した曹操は城門を探し回った。

 

ようやく発見した門はすでに柱が火に包まれ、その上部のはりにも大方おおかた火が燃え移っていた。

 

その門をくぐるのは危険だと判断されたが、ここを越えないことには命はない。

 

悪来は「私が試みましょう、何事もなければ私にお続きください」と駒に鞭打って悪来は城門を突破した。

 

曹操も突破を試みようとした時、城門の柱が崩れ落ちた。

 

延焼する梁は支えを失い、火のを散らして落下し、曹操の馬の尻に直撃した。

 

馬上から投げ出された曹操は、炎を帯びながら落下して来た梁の下敷きになっていた。

 

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曹操の葬儀

気がつくと、曹操は幕舎の中にいた。

 

悪来が担いで連れてきたものと思われる。

 

曹操は右の太腿部だいたいぶから頭部にかけて火傷やけどを負い、顔面は包帯で巻かれて片目が出るのみとなっていた。

 

周りには、心配そうに曹操の様子を見守る諸将がいた。

 

曹操は悪来を近くに呼び、その手を強く握った。

 

悪来は大漢おおおとこにも似合わず、大声で泣いた。

 

曹操の目からも、熱いものがこみ上げているように見える。

 

曹操は悪来に言った。

 

もっと泣け。

命令だ。

陣営に響くごとく泣け。

 

悪来は、事情が飲み込めなかったが、曹操が息を吹き返した喜びも手伝って、人目もはばかることなく泣き叫んだ。

 

曹操は、今度は夏侯淵を呼び、「お主に、わが葬儀を執り仕切る任務を与える」と言った。

 

夏侯淵は一瞬たじろんだが、曹操の腹の中を読み、「はっ」と言って曹操のもとを後にした。

 

陣営は悪来の泣き叫ぶ声に包まれていた。

 

兵は、出陣前の半分にも満たなかった。

 

曹操が重傷を負い、悪来に担がれて戻って来たのを見ているので、みな悲壮感に包まれていた。

 

その雰囲気の中、夏侯淵は神妙な面持ちで将兵に言った。

 

たった今、ご主君がお亡くなりになった。

ついては、ここに葬儀を執り行う。

その後、すみやかに撤退するのでそのつもりでおれ。

 

兵士はすこぶる動揺した。

 

そして、「曹操死す」の噂はたちまち呂布のもとにも伝わった。

 

呂布はそれを聞くと、陳宮に相談することもなく、千載一遇の好機とばかりに再び撃って出た。

 

そして、静まり返る曹操軍の軍門を突破した時、これが曹操のはかりごとだということにようやく気がついた。

 

曹操の陣営はもぬけのからで、呂布が率いる騎兵部隊が侵入すると、陣営の各所から火の手が上がった。

 

撤退する呂布軍を、今度は曹操の騎兵がはさみ撃ちにした。

 

呂布はこの戦で大半の兵を失い、慌てて濮陽城に帰った。

 

そして、城門を固く閉ざし、籠城の構えを見せたのであった。

 

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西暦 出来事 年齢
劉備 孔明 曹操 孫策 袁紹 董卓 呂布
前202 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。
前157 景帝が漢の皇帝に即位する。
168 霊帝が漢の皇帝に即位する。 7 13 14 30 7
181 何氏が霊帝の皇后となる。 20 26 6 27 43 20
184 黄巾の乱が起こるも、同年鎮圧。 23 3 29 9 30 46 23
189.5 霊帝が崩御し、少帝が即位する。 28 8 34 14 35 51 28
189.9 少帝が廃位され、献帝が即位する。 28 8 34 14 35 51 28
190.1 反董卓連合軍が結成される。 29 9 35 15 36 52 29
190.2 董卓、都を長安に遷す。 29 9 35 15 36 52 29
192 董卓、暗殺される。 31 11 37 17 38 54 31
193 曹操、徐州に侵攻する。 32 12 38 18 39    32

 

以上のあらすじは、主に吉川英治よしかわえいじ『三国志』、陳舜臣ちんしゅんしん『秘本三国志』『小説十八史略』、横山光輝よこやまみつてる『三国志』、王扶林監督『三国志演義』、高希希監督『Three Kingdoms』などをベースにしています。そのため、羅貫中らかんちゅうの『三国志演義』や陳寿ちんじゅの『正史三国志』とは内容が異なり、少なからず脚色が含まれることがあります。あらかじめ、ご了承下さい。

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