【1日5分】あらすじ三国志4「桃園の誓い」|大泉洋主演『新解釈・三國志』応援企画!

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三国志
大学で中国文学を学び、長年国語の教員を勤めてきた経験を活かして、分かりやすく、簡潔に、それでいて深イイ三国志のあらすじ紹介を行っていきたいと思います! 『三国志』に興味はあるけど小説を読んだりドラマを見たりする時間はない、でも簡単なあらすじだけではもの足りない・・・。 そんな方にはぴったりです!

 

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張飛との再会

劉備りゅうびが漢の復興のために立ち上がる決意をしてから数年後のある日、涿たく県(=幽州ゆうしゅう涿郡。記事下の地図参照。)の市場に一枚の高札こうさつが掲げられ、その周りには人だかりができていました。

 

それは、幽州太守劉焉りゅうえん黄巾賊こうきんぞく討伐の兵を募っているという趣旨のものでした。

 

旗揚げの機会をうかがっていた劉備は、その高札をじっと眺めていました。

 

何時間が過ぎたでしょうか、辺りにはもう誰もいなくなっていました。

 

すると、一人の偉丈夫いじょうふが劉備の前に立ちふさがりました。

 

それを読んで、貴公はどう思うのかね?

 

その声の主は、以前劉備を救った張飛ちょうひでした。

 

張飛はあざな翼徳よくとくと言い、劉備と別れてからは黄巾の乱鎮圧に奔走ほんそうし、敗れては立ち上がり、敗れては再起するを繰り返して来ましたが、いまは矢折れ刀こぼれ、いのししの肉を売って生計を立てている状態でした。

 

張飛は転戦するたびに、苦しむ人々の様子をの当たりにしていました。

 

そして、腐敗した漢の国の立て直しが必要であると考えるようになったのでした

 

ただならぬ気配を漂わせていた、あの劉備というお方となら…

 

そう思った張飛は、今日こうして劉備のもとを訪ねて来たのでした。

 

先ほどの高札を読んで、貴公はどう思われた?

 

張飛が詰め寄ります。

 

しかし、劉備は表情を変えることなく、素っ気なく答えます。

 

いえ、何も感じませんでした。

 

その答えを聞いた張飛は、刹那せつな、怒りの面持おももちになり、語気を荒らげて劉備に訴えかけるのでした。

 

そなたにもらったこの剣を幾度いくどとなく戦場で用いたが、その度にこの剣からは悲しく泣くような音がした。

この剣は、私のような匹夫ひっぷ(=取るに足らない者)が持つような代物しろものではない。

あなたは、きっと由緒正しき身分のお方に違いあるまい。

この剣は、あなたが立ち上がるのを待っているのだ。

あなたの本当のお気持ちを、どうかこの張飛にお聞かせください。

 

劉備は、張飛の気持ちに激しく胸を打たれます。

 

そして、この張飛こそ、これからの行動をともにするべき人間だと悟った劉備は、ようやく自分が漢の景帝けいていの子、中山ちゅうざん靖王せいおう劉勝りゅうしょう末裔まつえいであること、そして世のため人のため、漢再興のために立ち上がる決意をしていることを打ち明けるのでした。

 

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桃園の誓い

張飛には義兄として慕っている豪傑がいました。

 

張飛よりもさらに大きく、身のたけ九尺(=208cm)の偉丈夫、のちに美髯公びぜんこう(=髭が長くて美しい偉丈夫。)と称えられるその人は、名を関羽かんう、字を雲長うんちょうと言い、私塾を開いていました。

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高希希監督『Three Kingdoms』の関羽

 

関羽は張飛から、「劉備という見所のある若者がいて、なんと彼は漢の景帝の子孫であり、自分たちが旗揚げする際の主君になり得る存在である」ということを伝え聞いていました。

 

張飛の見込んだ人物なら間違いあるまい。

 

そう思った関羽は私塾をたたみ、二度と故郷には帰るまいという気持ちで、劉備や張飛のもとにせ参じるのです。

 

広大な中国で、この三者は涿県という小さな田舎町いなかまちに、奇跡的、かつ運命的な出会いを果たすのです。

 

彼らは、政治が腐敗し、世の中が荒廃している現状について、またそれによって民が困窮していることについて、そして漢王朝の立て直しが急務であることなどについて、いつまでも議論しました。

 

意見の一致を見た3人は、桃園で義兄弟の契りを結ぶと同時に君臣の関係となり、漢の復興のために立ち上がることを誓うのです。

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高希希監督『Three Kingdoms』の桃園の誓い

 

劉備、関羽、張飛、我ら三人は姓名こそ異なっているが、いまこうして義兄弟の契りを結んだからには互いに心を合わせ、困窮する人々を救うために立ち上がることを誓う!

大漢だいかんに報い、民衆を安んじ、同年どうねん同月どうげつ同日どうじつに生まれることはあい叶わなかったが、同年、同月、同日に死ぬことをここに願う!

 

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西暦 出来事 年齢
劉備 孔明 曹操 孫堅 袁紹 董卓 呂布
前202 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。
前157 景帝が漢の皇帝に即位する。
168 霊帝が漢の皇帝に即位する。 7 13 13 14 30 7
184 黄巾の乱が起こる。 23 3 29 29 30 46 23

 

以上のあらすじは、主に吉川英治よしかわえいじ『三国志』、陳舜臣ちんしゅんしん『秘本三国志』『小説十八史略』、横山光輝よこやまみつてる『三国志』、王扶林監督『三国志演義』、高希希監督『Three Kingdoms』などをベースにしています。そのため、羅貫中らかんちゅうの『三国志演義』や陳寿ちんじゅの『正史三国志』とは内容が異なり、少なからず脚色が含まれることがあります。あらかじめ、ご了承下さい。

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