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張飛との再会
劉備が漢の復興のために立ち上がる決意をしてから数年後のある日、涿県(=幽州涿郡。記事下の地図参照。)の市場に一枚の高札が掲げられ、その周りには人だかりができていました。
それは、幽州太守劉焉が黄巾賊討伐の兵を募っているという趣旨のものでした。
旗揚げの機会をうかがっていた劉備は、その高札をじっと眺めていました。
何時間が過ぎたでしょうか、辺りにはもう誰もいなくなっていました。
すると、一人の偉丈夫が劉備の前に立ち塞がりました。
その声の主は、以前劉備を救った張飛でした。
張飛は字を翼徳と言い、劉備と別れてからは黄巾の乱鎮圧に奔走し、敗れては立ち上がり、敗れては再起するを繰り返して来ましたが、いまは矢折れ刀毀れ、猪の肉を売って生計を立てている状態でした。
張飛は転戦するたびに、苦しむ人々の様子を目の当たりにしていました。
そして、腐敗した漢の国の立て直しが必要であると考えるようになったのでした。
そう思った張飛は、今日こうして劉備のもとを訪ねて来たのでした。
張飛が詰め寄ります。
しかし、劉備は表情を変えることなく、素っ気なく答えます。
その答えを聞いた張飛は、刹那、怒りの面持ちになり、語気を荒らげて劉備に訴えかけるのでした。
そなたにもらったこの剣を幾度となく戦場で用いたが、その度にこの剣からは悲しく泣くような音がした。
この剣は、私のような匹夫(=取るに足らない者)が持つような代物ではない。
あなたは、きっと由緒正しき身分のお方に違いあるまい。
この剣は、あなたが立ち上がるのを待っているのだ。
あなたの本当のお気持ちを、どうかこの張飛にお聞かせください。
劉備は、張飛の気持ちに激しく胸を打たれます。
そして、この張飛こそ、これからの行動をともにするべき人間だと悟った劉備は、ようやく自分が漢の景帝の子、中山靖王劉勝の末裔であること、そして世のため人のため、漢再興のために立ち上がる決意をしていることを打ち明けるのでした。

桃園の誓い
張飛には義兄として慕っている豪傑がいました。
張飛よりもさらに大きく、身の丈九尺(=208cm)の偉丈夫、のちに美髯公(=髭が長くて美しい偉丈夫。)と称えられるその人は、名を関羽、字を雲長と言い、私塾を開いていました。
高希希監督『Three Kingdoms』の関羽
関羽は張飛から、「劉備という見所のある若者がいて、なんと彼は漢の景帝の子孫であり、自分たちが旗揚げする際の主君になり得る存在である」ということを伝え聞いていました。
そう思った関羽は私塾をたたみ、二度と故郷には帰るまいという気持ちで、劉備や張飛のもとに馳せ参じるのです。
広大な中国で、この三者は涿県という小さな田舎町に、奇跡的、かつ運命的な出会いを果たすのです。
彼らは、政治が腐敗し、世の中が荒廃している現状について、またそれによって民が困窮していることについて、そして漢王朝の立て直しが急務であることなどについて、いつまでも議論しました。
意見の一致を見た3人は、桃園で義兄弟の契りを結ぶと同時に君臣の関係となり、漢の復興のために立ち上がることを誓うのです。
高希希監督『Three Kingdoms』の桃園の誓い
劉備、関羽、張飛、我ら三人は姓名こそ異なっているが、いまこうして義兄弟の契りを結んだからには互いに心を合わせ、困窮する人々を救うために立ち上がることを誓う!
大漢に報い、民衆を安んじ、同年、同月、同日に生まれることは相叶わなかったが、同年、同月、同日に死ぬことをここに願う!
西暦 | 出来事 | 年齢 | ||||||
劉備 | 孔明 | 曹操 | 孫堅 | 袁紹 | 董卓 | 呂布 | ||
前202 | 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。 | |||||||
前157 | 景帝が漢の皇帝に即位する。 | |||||||
168 | 霊帝が漢の皇帝に即位する。 | 7 | 13 | 13 | 14 | 30 | 7 | |
184 | 黄巾の乱が起こる。 | 23 | 3 | 29 | 29 | 30 | 46 | 23 |
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