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反董卓連合軍、洛陽入城
虎牢関はすでにもぬけの殻でした。
董卓軍は全軍を挙げて、すでに都洛陽(=現在の河南省西部。司隷(司州)。漢の都があった。記事下の地図参照。)に向けて退却を完了していたのです。
そして、次なる都に定めた長安へと西進していたのでした。
連合軍の兵が虎牢関の城郭に登ってみると、そこに見えたのは炎上する漢の都洛陽の姿。
諸侯たちは、董卓が長安遷都を断行したなどとは知るよしもなく、一体何事が起きたのかと一様に、呆気にとられるのでした。
洛陽に入城してみると、洛内は塵灰と化し、袁紹や曹操が任官していた頃の面影はありません。
まだ至る所に火が燻っています。
曹操は袁紹に進言しました。
この機に乗じて董卓を追撃すれば、董卓を生け捕りにすることができましょう。
生け捕りにすることはできなくとも、大きな損害を与えて二度と覇を唱えることなどできぬようになるでしょう。
どうかお下知を。
しかし、袁紹は洛陽を陥落させたことに満足気味で、「このところの連戦で兵士の疲労も溜まっておる、ここはしばし休息するべきだ」と述べ、かつての王宮を懐古的に巡るのでした。
曹操はそう思いながら、再び袁紹に食い下がります。
董卓は我ら連合軍を恐れて長安に遷都を断行したのですぞ。
我らは呂布を敗走させ、疲労困憊と言えども兵士の士気は低くはありません。
董卓には、まだ呂布や李傕、郭汜、勇猛な西涼(=涼州。)の精兵がおります。
この機を逃せば董卓は勢力を盛り返して、必ずや後の禍根となりましょう。
しかし、曹操の強訴にも袁紹が耳を貸すことはありませんでした。
袁紹には慢心がありました。
そして、この洛陽に対する執着がありました。
都洛陽を占拠し、天下に号令を下す野心がありました。
豎子(=取るに足らない人間。)、ともに語るに足らず。
曹操はそう言って袁紹を見限り、部隊を率いて単独で董卓を追うのでした。

曹操、董卓を猛追する
曹操は、曹仁、曹洪、夏侯惇、夏侯淵ら腹心とともに、騎馬兵を主体にして董卓を追撃しました。
高希希監督『Three Kingdoms』の曹操
その兵力は1万余。
董卓の守備兵に比べると無勢でしたが、いかんせん董卓は皇室の貴族から市井の人々、百姓までもを帯同しているので、その行軍は遅々として進まず、迎え撃つ体制もままならないはずでした。
「曹操来たる!」の報を受けた董卓は李儒に後事を託し、兵符(=兵の指揮権。)を授けて自らは長安に急行するのでした。
洛陽の西には滎陽城があります。
その昔、西楚の覇王項羽と漢の高祖(=初代皇帝。)劉邦が死闘を繰り広げた古戦場でした。
滎陽の西には山があり、長安に向かうにはこの山に切り開かれた狭い険道を進むほかありませんでした。
李儒は滎陽城に残された兵士を呂布に指揮させ、この険道の左右に潜ませたのでした。
そうとも知らない曹操は、全軍を挙げて滎陽城に突入します。
城がもぬけの殻であることに少しの違和感を抱きますが、曹操は董卓追撃の手を緩めることはありませんでした。
そして、滎陽城を通過し、山間部に部隊の半分以上が侵入した時、呂布の大喝とともに左右から矢の豪雨が降り注いだのでした。
曹操の兵士は、みるみるうちに倒れていきます。
矢の攻撃が終わると、今度は呂布が怒鳴り声を上げて「曹操を生け捕りにせよ!」と迫ってきます。
曹操はすぐに元来た道を逆戻りし、呂布の手を逃れようとします。
しかし、呂布と曹操は面識があり、曹操の風貌と見事な赤備えの鎧を見つけた呂布は、「それ、あそこに曹操がおるぞ!」と兵に指示し、自らも赤兎馬を駆って曹操に肉薄するのでした。
西暦 | 出来事 | 年齢 | ||||||
劉備 | 孔明 | 曹操 | 孫堅 | 袁紹 | 董卓 | 呂布 | ||
前202 | 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。 | |||||||
前157 | 景帝が漢の皇帝に即位する。 | |||||||
168 | 霊帝が漢の皇帝に即位する。 | 7 | 13 | 13 | 14 | 30 | 7 | |
181 | 何氏が霊帝の皇后となる。 | 20 | 26 | 26 | 27 | 43 | 20 | |
184 | 黄巾の乱が起こるも、同年鎮圧。 | 23 | 3 | 29 | 29 | 30 | 46 | 23 |
189.5 | 霊帝が崩御し、少帝が即位する。 | 28 | 8 | 34 | 34 | 35 | 51 | 28 |
189.9 | 少帝が廃位され、献帝が即位する。 | 28 | 8 | 34 | 34 | 35 | 51 | 28 |
190.1 | 反董卓連合軍が結成される。 | 29 | 9 | 35 | 35 | 36 | 52 | 29 |
190.2 | 董卓、都を長安に遷す。 | 29 | 9 | 35 | 35 | 36 | 52 | 29 |
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