【1日5分】あらすじ三国志24「呂布、三兄弟を相手にする」|大泉洋主演『新解釈・三國志』応援企画!

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三国志
大学で中国文学を学び、長年国語の教員を勤めてきた経験を活かして、分かりやすく、簡潔に、それでいて深イイ三国志のあらすじ紹介を行っていきたいと思います! 『三国志』に興味はあるけど小説を読んだりドラマを見たりする時間はない、でも簡単なあらすじだけではもの足りない・・・。 そんな方にはぴったりです!

 

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呂布、三兄弟を相手にする

呂布りょふ張飛ちょうひの一騎討ちは膠着こうちゃく状態のまま、数十合すうじゅうごうに及びました。

 

しかし、呂布の手足のごとく、機敏に反応を続ける赤兎馬せきとばに比べて、張飛の凡馬ぼんばはさすがに動きに精彩を欠くようになっていました。

 

そのせいもあってか、呂布の巧みな方天戟ほうてんげきの攻撃に、張飛が対応できないことが多くなってきました。

 

張飛が防戦一方になると、それをいいことに董卓とうたくの兵が接近して呂布に加勢する構えを見せました。

 

諸侯たちが固唾かたずを飲んで見守っている中、張飛の方に走り寄る二人の武士もののふの姿がありました。

 

一人は馬の手綱たづなから手を離し、長短ニ双にそうの剣を持って呂布の方に突進していきます。

 

もう一人は人間の背丈よりも長い青龍偃月刀せいりゅうえんげつとうを右手にげ、「下がれ、下臈げろう(=身分の低い、下賤の者。)ども!」と叫んで董卓の兵たちを牽制けんせいしました。

挿入画像

劉備りゅうび関羽かんうです。

 

それからまた数十合と、呂布と張飛のほこは交わり、交わるたびに激しいはがねの音が響き、時折火花が飛び散って周囲の兵たちの歓声を巻き起こすのでした。

 

刹那せつな、呂布のげきが張飛の蛇矛じゃほこ・じゃぼうを捉えて天に跳ね飛ばしてしまいました。

 

張飛は慌てて抜刀ばっとうし、呂布の攻撃に備えますが、太刀たちでは到底呂布の方天戟にはかないません。

 

張飛が「やや、まずい」と思ったとき、劉備が大喝して伝家の名刀を振り上げ、呂布に斬りつけます。

 

劉備は撃剣のたしなみがあるため、さすがの呂布も戟を両手に持ち変えてニ双の剣の攻撃を防ぎます。

 

そのうち、今度は関羽が青龍偃月刀で呂布に斬り込んできます。

 

息を吹き返した張飛は蛇矛を拾い上げ、呂布に再度襲いかかります。

 

呂布は、しかしこの状況に笑みさえ浮かべながら、「面白い、三人まとめてあの世へ送ってくれようぞ!」と叫ぶや、こちらも意気盛んに戟を自在に振り回してえいやと攻撃するのでした。

 

…この戦いは必ずや武士もののふどもの語り草となろう。

 

諸侯たちは四人の死闘を、しばしいくさを忘れて見入ってしまうのでした。

 

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反董卓連合軍の反撃

今度は呂布が防戦一方になりました。

 

劉備三兄弟と互角以上に渡り合うこと三十合を超えた辺りで、「この勝負預けた」と言って呂布は虎牢関ころうかんに退こうとします。

 

「あ、待て」と劉備は呂布を追い掛けます。

 

いつ散るとも分からぬ武士もののふの道。

この勝負に明日あすはない。

 

劉備は叫んで短刀を投げつけます。

 

しかし、赤兎馬の速さは予想以上です。

 

呂布は獅子皮ししひにつけた弓箭きゅうせんから、にわかに弓を取り出してひょっと劉備に向かって矢を射ました。

 

呂布は弓の名手。

 

百歩離れた獲物を射ることもできました。

 

呂布は赤兎を虎牢関に向かって走らせながら、身を反転して矢を放ちます。

 

放たれた矢は、劉備の肩の辺りをかすめました。

 

それを見た関羽は劉備の前に割って入り、次に放たれる矢の飛来に備えます。

 

呂布を討ち取って、大漢だいかん復興を果たしたい。

 

劉備は、今や執念の人になっていました。

 

関羽と張飛は、「命を捨ててでも劉備の志に報いたい、劉玄徳げんとく(=「玄徳」は劉備のあざな。)を男にしたい」、その一心で必死に呂布を追いかけるのでした。

 

人中じんちゅうに呂布あり、馬中ばちゅうに赤兎あり」とはよく言ったもので、赤兎馬は当代一の名馬です。

 

呂布との距離はみるみる離れ、やがて虎牢関の城内に吸い込まれていきました。

 

城門付近まで辿たどり着くと、三人の頭上には雨のように矢が降り注ぎ、これでもかというほどの投石が行われます。

 

歯がみする関羽と張飛に、劉備は声を掛けました。

 

こうなっては致し方ない。

城外に取り残された敗残兵の掃討に当たるぞ。

 

劉備は駒を返し、大将を失って右往左往する董卓の兵に斬り込むのでした。

 

連合軍の本営でも、曹操そうそうがすぐに袁紹えんしょうに進言します。

 

本初ほんしょ(=袁紹の字。)殿、これは千載一遇の好機。

この機に乗じて董卓の兵を追撃し、出来る限り西涼(=涼州。)の兵を叩きましょう。

 

袁紹はただちに十八鎮諸侯に号令を下し、全軍を挙げて董卓の兵を討つことを命じたのでした。

 

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西暦 出来事 年齢
劉備 孔明 曹操 孫堅 袁紹 董卓 呂布
前202 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。
前157 景帝が漢の皇帝に即位する。
168 霊帝が漢の皇帝に即位する。 7 13 13 14 30 7
181 何氏が霊帝の皇后となる。 20 26 26 27 43 20
184 黄巾の乱が起こるも、同年鎮圧。 23 3 29 29 30 46 23
189.5 霊帝が崩御し、少帝が即位する。 28 8 34 34 35 51 28
189.9 少帝が廃位され、献帝が即位する。 28 8 34 34 35 51 28
190.1 反董卓連合軍が結成される。 29 9 35 35 36 52 29

 

以上のあらすじは、主に吉川英治よしかわえいじ『三国志』、陳舜臣ちんしゅんしん『秘本三国志』『小説十八史略』、横山光輝よこやまみつてる『三国志』、王扶林監督『三国志演義』、高希希監督『Three Kingdoms』などをベースにしています。そのため、羅貫中らかんちゅうの『三国志演義』や陳寿ちんじゅの『正史三国志』とは内容が異なり、少なからず脚色が含まれることがあります。あらかじめ、ご了承下さい。

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