【1日5分】あらすじ三国志13「呂布、世に出る」|大泉洋主演『新解釈・三國志』応援企画!

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三国志
大学で中国文学を学び、長年国語の教員を勤めてきた経験を活かして、分かりやすく、簡潔に、それでいて深イイ三国志のあらすじ紹介を行っていきたいと思います! 『三国志』に興味はあるけど小説を読んだりドラマを見たりする時間はない、でも簡単なあらすじだけではもの足りない・・・。 そんな方にはぴったりです!

 

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呂布、世に出る

20万の大軍を引き連れて都洛陽らくよう(=河南かなん省西部。司隷しれい司州ししゅう)東部。記事下の地図参照。)に入城した董卓とうたくは宴を催し、少帝しょうていを廃位して新たに陳留ちんりゅう劉協りゅうきょうを皇帝に即位させることを提言します。

 

董卓は、何氏かしや何氏に近しい朝臣が後ろ盾になっている少帝よりも、劉協の方が自らの傀儡かいらい(=操り人形。)にしやすいと考えたためでした。

 

しかし、同じく軍勢を率いて上洛していた并州へいしゅう刺史しし(=州の統括者。)丁原ていげんが断固反対を表明します。

 

怒りをあらわにする董卓ですが、丁原の背後に伺候しこうしている武士もののふが始終にらみをかせていて、董卓を牽制けんせいしていました。

 

饗宴きょうえんの後、董卓とうたくは参謀の李儒りじゅに、丁原ていげんの背後に控えていた男の素性すじょうを尋ねます。

 

わが君もお気づきになられましたか。

あれは丁原の養子で、呂布りょふあざな奉先ほうせんと言う男です。

弓術馬術に優れ、やつの方天画戟ほうてんがげきによって葬られた人間の数は計り知れません。

まさしく天下無双の豪傑です。

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高希希監督『Three Kingdoms』の呂布

 

その日、丁原が董卓の陣営を急襲しました。

 

丁原の先鋒は、もちろん呂奉先です。

 

呂布は方天画戟を巧みに操り、縦横無尽に駆け回って董卓軍の兵士を次々になぎ倒していきます。

 

これはたまらじと、董卓は退却を命じ、敵の挑発があっても撃って出てはならぬと固く命じるのでした。

 

董卓も武勇で知られた武将です。

 

呂布が天下無敵の豪傑であることは見れば分かることでした。

 

董卓は頭を抱えます。

 

それは呂布を恐怖すると言うよりは、呂布を手に入れたいという思いからでした。

 

天は、なぜ丁原ごときにあのような者をお与えになったのか・・・。

 

董卓の嘆きを聞き、この機会をうかがっていたとばかりに幕閣の李粛りしゅくが口を開きます。

 

あの者がお気に召しましたか?

もしそうなら、私にわが君の赤兎せきとと金一袋をお貸しください。

私は呂布とは同郷、呂布のことはよく存じております。

呂布は勇猛さこそ右に並ぶ者はいませんが、生来せいらい強欲で、利にさとい所がございます。

赤兎と私の弁舌をもって、必ずや呂布を幕閣に引き入れてご覧にかけましょう。

 

赤兎とは、赤兎馬せきとばのことで、日に千里を駆けると言われた汗血馬かんけつばでした。

 

董卓は李儒をちらと見ます。

 

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高希希監督『Three Kingdoms』の李儒

 

李儒が軽くうなづくと、董卓は「頼んだぞ、必ずや呂布を我が軍に組み入れるのだ」と李粛に命じるのでした。

 

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李粛の説得

李粛はその日のうちに丁原の陣に出向きます。

 

李粛とは同郷の関係であったので、呂布は李粛を陣営に招き入れ、久闊きゅうかつじょするのでした。

 

先ほど来から、馬のいななきがするが、あれはそなたの馬か?

そなたも知っておろうが、私は馬には目がない。

いななきを聞いただけで、その馬の善し悪しが分かる。

そなたの馬は稀代きだいの名馬に違いない。

ぜひ見せてもらえないだろうか?

 

李粛は呂布の申し出を了解し、呂布に赤兎馬を見せます。

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おお、なんともはや・・・

 

毛並みといい、息遣いといい、大腿筋の太さといい、呂布がいままで見た馬のどれよりも遥かに優っていました。

 

気性が荒い赤兎馬も、呂布にだけは盛んにすり寄っていくのでした。

 

名馬は豪傑が分かるものだな。

ところで奉先、十常侍や何進が滅んだ今、この先天下をべる人物はどなただと思う?

 

呂布は朱儁しゅしゅん皇甫嵩こうほすうなどの名を挙げますが、李粛は首を振ります。

 

李粛は呂布に、金の入った袋を手渡します。

 

奉先よ、この金は董卓将軍がそなたにと私に持たせたものである。

将軍はそなたとよしみを結びたいと考えておられる。

そして、私がこちらに出立しようとした時、将軍は「天下一の豪傑には天下一の名馬が似合う」と言われ、溺愛しておられた赤兎馬を私に連れて来させたのだ。

これはそなたの馬だ。

董卓将軍は西涼せいりょう20万の兵をようし、朝廷での実権をその手中に収めるのも時間の問題であろう。

董卓将軍は強い、加えてそなたの価値に気づいておる。

そなたの主君よりもな。

そして、そなたを慕っておる。

董卓将軍が覇を唱えれば、朝廷でのそなたの栄達の機会は十分にある。

奉先、いまこそ大業をなすべきだ!

 

電光石火でんこうせっかの弁舌に、呂布は雷に打たれたようにハッとします。

 

赤兎は相変わらず、呂布に甘えるようにして擦り寄ってきます。

 

待っていろ。

 

そう言って、呂布は丁原の幕舎に向かいました。

 

そして、間もなく呂布は右手に鞠のようなものをぶら下げて、李粛のもとに戻ってきたのです。

 

それは、紛れもなく丁原の首だったのでした。

 

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西暦 出来事 年齢
劉備 孔明 曹操 孫堅 袁紹 董卓 呂布
前202 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。
前157 景帝が漢の皇帝に即位する。
168 霊帝が漢の皇帝に即位する。 7 13 13 14 30 7
181 何氏が霊帝の皇后となる。 20 26 26 27 43 20
184 黄巾の乱が起こるも、同年鎮圧。 23 3 29 29 30 46 23
189 霊帝が崩御し、少帝が即位する。 28 8 34 34 35 51 28

 

以上のあらすじは、主に吉川英治よしかわえいじ『三国志』、陳舜臣ちんしゅんしん『秘本三国志』『小説十八史略』、横山光輝よこやまみつてる『三国志』、王扶林監督『三国志演義』、高希希監督『Three Kingdoms』などをベースにしています。そのため、羅貫中らかんちゅうの『三国志演義』や陳寿ちんじゅの『正史三国志』とは内容が異なり、少なからず脚色が含まれることがあります。あらかじめ、ご了承下さい。

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