【1日5分】あらすじ三国志12「董卓入城」|大泉洋主演『新解釈・三國志』応援企画!

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三国志
大学で中国文学を学び、長年国語の教員を勤めてきた経験を活かして、分かりやすく、簡潔に、それでいて深イイ三国志のあらすじ紹介を行っていきたいと思います! 『三国志』に興味はあるけど小説を読んだりドラマを見たりする時間はない、でも簡単なあらすじだけではもの足りない・・・。 そんな方にはぴったりです!

 

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何進の死

蹇碩けんせき殺害後も、大将軍何進かしん十常侍じゅうじょうじ宦官かんがん(=去勢された男性官吏。)の対立は収まりませんでした。

 

何進は十常侍排斥を画策かくさくしますが、その度ごとに十常侍は何太后かたいごう(=何進の妹。霊帝れいていが亡くなったため「太后」となる。何太后は「皇后」となる際、十常侍のメンバーである張譲の協力を受けており、その借りがあった。)のもとに陳情に訪れ、ことなきを得るのでした。

 

袁紹えんしょう(=何進の腹心。司隷校尉。)は何進に進言します。

 

こうなっては、内部●●から十常侍を排斥することはできないでしょう。

外部●●の力に頼ってみてはどうでしょうか?

 

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高希希監督『Three Kingdoms』の袁紹

 

「外部の力?」と、何進は身を乗り出して尋ねます。

 

その頃、西涼せいりょう(=涼州。記事下の地図参照。)の地には、黄巾こうきんの乱鎮圧に大功ありとして董卓とうたく将軍が刺史しし(=州の統括者。)となって赴任していました。

 

しかしその実、董卓は黄巾賊討伐後に十常侍ら宦官におもねり、多額のまいないを投じて霊帝に口添えをしてもらうことで、その地位を獲得していたのでした。

 

それが、今や20万の兵をようするまでに勢力を拡大していました。

 

また、并州へいしゅう刺史の丁原ていげんは一騎当千の武将呂布りょふを従え、意気盛んでした。

 

袁紹は答えます。

 

董卓や丁原などといった外部の力を都に呼び寄せ、十常侍排斥の命を下すのです。

 

もとより、何進にはそれ以上の方策はありません。

 

何進は袁紹の進言を受け入れ、董卓など諸国に台頭する武将に、十常侍殲滅せんめつげきを飛ばした(=自分の考えを表明して、他者にも同調を促すこと。)のでした。

 

それを知った十常侍は焦ります。

 

そこで、この機に何進を殺害し、何進の計画を瓦解がかいさせることを目論もくろみました。

 

皇宮のあちらこちらに兵を配置した上で、何太后をうまく丸め込んで何進を皇宮に招く詔勅しょうちょくを書かせたのです。

 

何進の側近は、何進が皇宮に参内さんだいすることに激しく反対しましたが、何進は「霊帝が崩御ほうぎょされたばかりで妹も心細いのであろう」と、わずかな従者だけを引き連れて皇宮に向かってしまいました。

 

皇宮の外で待機していた袁紹ら何進の側近のもとに、黒い物体が投げ込まれます。

 

よく見てみると、それは恐懼きょうくと無念の表情を浮かべた何進の首でした。

 

袁紹は何進の首を抱き、「おのれ、十常侍!下賤げせんの宦官どもめ。許せぬ!」と言って引き返し、軍勢を従えて舞い戻るや、皇宮に踏み入って宦官どもを誅殺ちゅうさつしてしまったのでした。

 

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董卓入城

十常侍を殲滅せんめつするために、西涼刺史董卓や并州刺史丁原を洛陽らくよう招聘しょうへいして事に当たらせるのがよいと、袁紹は何進に進言しました。

 

これに反対したのが、典軍てんぐん校尉こうい曹操そうそうでした。

 

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高希希監督『Three Kingdoms』の曹操

 

曹操は董卓の野心を知っていました。

 

曹操は、董卓が混乱に乗じて朝政を牛耳ぎゅうじるだろうということを予見していたのです。

 

しかし、身分の低い校尉の諫言かんげん(=目上の人の誤りを指摘し、改善を促すこと。)など、大将軍である何進には相手にされませんでした。

 

曹操の予見した通り、董卓は都洛陽城外に20万の軍勢を駐屯させて睨みをきかせ、何進と十常侍が滅ぶに及んであからさまに文武百官に号令を下そうとしたのです。

 

董卓は武勇に優れ、漢に敵対するきょう族との戦いにおいて数々の戦功を挙げていました。

 

霊帝の時代には西域戊己ぼき校尉、河東こうとう太守、中郎将ちゅうろうしょうを歴任し、朝廷内でも一目置かれる人物でした。

 

その男が、今度はいくさけた西涼20万の兵を引き連れてものを申すわけですので、誰しも恐れないわけにはいきませんでした。

 

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高希希監督『Three Kingdoms』の董卓

 

ある日、董卓は酒宴を開き、半ば強制的に文武百官を招きます。

 

そこで、いくつかの宣言をするのです。

 

董卓はまず、第13代少帝しょうてい劉弁りゅうべんを廃し、新たに霊帝と王美人の子である陳留王ちんりゅうおう劉協りゅうきょうを即位させようとします。

 

「少帝よりも陳留王の方が聡明で学を好み、天下をべる器があったから」というのが少帝廃位の理由とされていますが、それは建前にすぎません。

 

本来の目的は、少帝の後ろ盾になっている何氏や、何氏とのつながりが深い官僚らの政治的な影響力を弱めることでした。

 

董卓にとっては、劉協の方が操りやすかったのです。

 

董卓と同じく、朝政掌握を目論んでいた丁原は、武力衝突も辞さない構えで董卓の提言に断固反対しました。

 

帝位は天命が定めるもの。

臣下が口出しするようなことではない。

まして、少帝(=劉弁。)陛下は先帝(=霊帝。)の正当な嫡子ちゃくし(=後継ぎ。)。

そなたは天命に逆らい、道理に背き、帝位を簒奪さんだつ(=君主の座を力ずくで奪い取ること。)するつもりか!

 

丁原の批判に、董卓は怒りをあらわにします。

 

漢への忠義心から発言した私に、よもや簒奪を疑うとは…。

貴様、誰に向かってものを言っているのだ!

 

しかし、丁原は顔色一つ変えません。

 

丁原の背後には、ただものではない雰囲気を漂わせている偉丈夫いじょうふが一人、刀のつかに手をかけて立っています。

 

董卓は、先ほどからこの男が気になって仕方ありませんでした。

 

参謀の李儒りじゅが董卓に耳打ちします。

 

ここは饗宴きょうえんの場、今日はそれくらいになさいませ。

 

洛陽に来て朝政を牛耳ることを献策したり、少帝廃位の利を董卓に述べたりしたのも、この李儒でした。

 

董卓は李儒のげんに従い、その話はそれ切りになりましたが、董卓は酒宴の間中、丁原の側にいた男の存在が気になって仕方がなかったのでした。

 

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西暦 出来事 年齢
劉備 孔明 曹操 孫堅 袁紹 董卓 呂布
前202 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。
前157 景帝が漢の皇帝に即位する。
168 霊帝が漢の皇帝に即位する。 7 13 13 14 30 7
181 何氏が霊帝の皇后となる。 20 26 26 27 43 20
184 黄巾の乱が起こるも、同年鎮圧。 23 3 29 29 30 46 23
189 霊帝が崩御し、少帝が即位する。 28 8 34 34 35 51 28

 

以上のあらすじは、主に吉川英治よしかわえいじ『三国志』、陳舜臣ちんしゅんしん『秘本三国志』『小説十八史略』、横山光輝よこやまみつてる『三国志』、王扶林監督『三国志演義』、高希希監督『Three Kingdoms』などをベースにしています。そのため、羅貫中らかんちゅうの『三国志演義』や陳寿ちんじゅの『正史三国志』とは内容が異なり、少なからず脚色が含まれることがあります。あらかじめ、ご了承下さい。

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