【1日5分】あらすじ三国志11「霊帝崩御」|大泉洋主演『新解釈・三國志』応援企画!

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三国志
大学で中国文学を学び、長年国語の教員を勤めてきた経験を活かして、分かりやすく、簡潔に、それでいて深イイ三国志のあらすじ紹介を行っていきたいと思います! 『三国志』に興味はあるけど小説を読んだりドラマを見たりする時間はない、でも簡単なあらすじだけではもの足りない・・・。 そんな方にはぴったりです!

 

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霊帝崩御

霊帝れいていには、とりわけ寵愛ちょうあいした二人の妃がいました。

 

一人は皇后で、霊帝との間には劉弁りゅうべんという皇子も誕生していました。

 

もう一人は王美人で、劉弁から遅れて5年後に、劉協りゅうきょうという皇子も生まれています。

 

劉弁を次代の皇帝にしたいと考えていた何皇后は、王美人を殺害してしまいます。

 

しかし、このことで、かえって霊帝は劉協を不憫ふびんに思うようになり、能力的にも劉弁より優れていた劉協こそが自分の跡取りとして相応ふさわしいと考えるようになりました。

 

そんな中、病がちであった霊帝が危篤きとくの状態となりました。

 

霊帝は臨終に際して、寵愛ちょうあいしていた宦官かんがん(=去勢された男性官吏。)の蹇碩けんせきを呼び出し、改めて劉協りゅうきょうを次代の皇帝にするよう遺言します。

 

蹇碩は霊帝の生母董太后とうたいごうに接近し、董太后の甥で驃騎ひょうき大将軍董重とうちょうを味方につけていました。

 

そして、霊帝と王美人の子、劉協を皇帝にしようと画策かくさくするのでした。

 

もちろん、劉協を操り人形にして権力を掌中しょうちゅうに収め、氏一族を駆逐くちくしたいと思ってのことです。

 

ここに、何氏と宦官蹇碩率いる十常侍じゅうじょうじ(=当時、霊帝の代わりに朝政を牛耳っていた十数人の宦官の総称。)ら宦官の対立は極まったのでした。

 

189年5月、霊帝が崩御ほうぎょします。

 

蹇碩は霊帝崩御については伏せ、霊帝からのお召しがあると偽って何進かしん(=何皇后の兄。大将軍。)に皇宮への参内さんだいを迫ります。

 

何進の腹心であった一人の偉丈夫が何進に忠言します。

 

その人物は司隷校尉しれいこうい(=中央の官吏を監察する役人。)袁紹えんしょうあざな本初ほんしょと言い、代々漢の三公(=司徒しと(=行政の長)、司馬しば(=軍事の長)、司空しくう(=政策立案の長))を務めた名門の家柄であり、言うなれば政界のサラブレッドでした。

 

挿入画像

高希希監督『Three Kingdoms』の袁紹

 

将軍、これは蹇碩の罠に違いありません。

恐らく、霊帝はすでに崩御あそばされていて、将軍を王宮におびき寄せて殺害し、劉協皇子を即位させるつもりなのです。

これ以上、卑しき宦官ふぜいに好き勝手な振る舞いをさせてはなりません。

黄巾賊こうきんぞくの乱が起こったのも、そして今なお各地で不満がくすぶり、反乱が絶えないのもこの宦官らが朝政を牛耳ぎゅうじっているからに他なりません。

今こそ、蹇碩ら宦官の勢力を根絶やしにするのです。

 

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何進、王宮に攻め入る

何進は袁紹の進言をれ、王宮に雪崩なだれ込みました。

 

宦官には生殖器がないため、ひげが生えません。

 

何進や袁紹の兵は、髭のない役人をしらみつぶしに殺害するよう、命じられていました。

 

そのため、蹇碩ら十常侍だけではなく、多くの宦官が命を落としたのです。

 

十常侍じゅうじょうじ張譲ちょうじょうは、すぐさま何皇后のもとに駆け込みます。

 

何皇后は張譲に借りがあります。

 

何皇后が皇后になれたのは、この張譲を買収し、張譲が霊帝や他の宦官に働きかけたからに他なりませんでした。

 

何皇后は、泣いて命いをする張譲らをかくまいます。

 

そして、兄何進を叱り付けます。

 

羊の肉を解体することを生業なりわいにしていた下賤げせんの何氏が、このような高貴な身分になれたのは十常侍のおかげではありませんか。

劉協を担いでいたのは蹇碩です。

その蹇碩一派は誅殺ちゅうさつされました。

どうか他の宦官には温情を施しなさい。

 

妹とは言え、皇后からの命令です。

 

そう言われて、何進の目には戦意は失われてしまいました。

 

何進は根っからの武人ではありません。

 

もともとは市井しせいの人でした。

 

羊の屠殺とさつで生計を立てていた者が、ここまで出世できたことに満足していないわけではありません。

 

対立していた蹇碩は殺害した。

劉弁が皇帝になることは間違いない。

これ以上、何を望もう・・・

 

何進は剣をさやに収めます。

 

すかさず、袁紹は何進に訴え出ます。

 

将軍、いま十常侍を殲滅せんめつしなければ、必ずや後の禍根かこんとなりますぞ!

 

袁紹には高家の血が流れています。

 

政界で生き残るためにはどう立ち舞えばいいのか、袁家の人間の遺伝子にはそれが組み込まれているのです。

 

従って、ここで十常侍を始末しなければ、後の災いになることが袁紹には分かるのです。

 

袁紹以下、何進の腹心はみなひざまずいて懇願します。

 

将軍、ご決断を!!

 

それでも、何進が首を縦に振ることはありませんでした。

 

その後、すぐに劉弁が第13代少帝しょうていとして即位しました。

 

蹇碩に味方した董太后と董重は幽閉され、秘密裡ひみつりに殺害されます。

 

しかし、十常侍は尚も健在。

 

十常侍はその後も、何氏排斥を虎視眈々こしたんたんと狙うのでした。

 

挿入画像

西暦 出来事 年齢
劉備 孔明 曹操 孫堅 袁紹 董卓 呂布
前202 劉邦が項羽を滅ぼす。漢王朝誕生。
前157 景帝が漢の皇帝に即位する。
168 霊帝が漢の皇帝に即位する。 7 13 13 14 30 7
181 何氏が霊帝の皇后となる。 20 26 26 27 43 20
184 黄巾の乱が起こるも、同年鎮圧。 23 3 29 29 30 46 23
189 霊帝が崩御し、少帝が即位する。 28 8 34 34 35 51 28

 

以上のあらすじは、主に吉川英治よしかわえいじ『三国志』、陳舜臣ちんしゅんしん『秘本三国志』『小説十八史略』、横山光輝よこやまみつてる『三国志』、王扶林監督『三国志演義』、高希希監督『Three Kingdoms』などをベースにしています。そのため、羅貫中らかんちゅうの『三国志演義』や陳寿ちんじゅの『正史三国志』とは内容が異なり、少なからず脚色が含まれることがあります。あらかじめ、ご了承下さい。

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