大学入試・滑り止め校確実ゲット!やり直し古典文法「用言の活用⑭」上二段活用

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今日のポイント

用言の活用⑭

上二段活用

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「上二段活用」

上二段活用の見分け方

以前の解説で、用言の活用の種類をマスターするには、まず動詞の数が極めて少ない活用の種類(上一段活用、下一段活用、カ行変格活用、サ行変格活用、ナ行変格活用、ラ行変格活用)、いわゆる「覚えるシリーズ」からマスターするべきだとお伝えしました。

 

「覚えるシリーズ」の動詞は全部で40個程度になりますが、これらの動詞を見た瞬間、それがどの活用の種類に属しているのか、そしてどのように活用(変化)するのか、すらすら言えるようになるまで記憶に定着させてください。

 

そして、「覚えるシリーズ」に属する動詞以外の動詞が出てきたら、その動詞は四段か、下二段か、上二段のどれかであるので、その動詞に「」、または「ない」をつけて、未然形の音を確かめます。

 

*動詞に「ず」、または「ない」をつけると然形になります

 

その時、未然形の音が「i」だった場合、上二段活用ということになります。

 

例えば、「る」という動詞は、覚えるシリーズにはありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「下りず」となります。

 

ローマ字で表せば「下ri+ず」となり、未然形が「i」の音と分かりますので上二段活用です。

 

上二段活用は覚えるシリーズではありませんが、以下の動詞を見たときはすぐに上二段だと判断できるものですので、頭に入れておいてください。

 

いずれも入試頻出ですよ!

 

一目で判断!上二段活用の動詞

①「恨む」、「」、「滅ぶ」は上二段活用の動詞

動詞 語幹 未然形

連用形

終止形

連体形

とき

已然形

ども

命令形

 

活用の種類
恨む うら むる むれ みよ マ行上二段活用

 

動詞 語幹 未然形

連用形

終止形

連体形

とき

已然形

ども

命令形

 

活用の種類
恋ふ ふる ふれ ひよ ハ行上二段活用

 

動詞 語幹 未然形

連用形

終止形

連体形

とき

已然形

ども

命令形

 

活用の種類
滅ぶ ほろ ぶる ぶれ びよ バ行上二段活用

*「恨む」、「恋ふ」、「滅ぶ」という動詞は、それぞれ「ず」、または「ない」を付けると、現代では「恨まず」、「恋はず」、「滅ばず」となります。

ローマ字で表すと「恨ma+ず」、「恋ha+ず」、「滅ba+ず」となり、それぞれ未然形が「a」の音ですので、「四段活用」ではないかと考えるかもしれません。

しかし、この3つの動詞は、実は古文では上二段活用の言葉で、未然形はそれぞれ「飽みず」、「恋ひず」、「滅びず」となります。

ひっかけ問題として入試に出題されますので、注意してください。

 

②ヤ行上二段の動詞は3つのみ

ゆ」、「ゆ」、「むくゆ」

動詞 語幹 未然形

連用形

終止形

連体形

とき

已然形

ども

命令形

 

活用の種類
老ゆ ゆる ゆれ いよ ヤ行上二段活用

 

上二段の活用表

動詞 語幹 未然形

連用形

終止形

連体形

とき

已然形

ども

命令形

 

活用の種類
下る

i

i

u

るる

uる

るれ

uれ

りよ

iよ

ラ行上二段活用

 

ちょっともの知り

活用表を見ると分かる通り、上二段活用の動詞は子音を取り除くと(例えば、「下る」という動詞の活用語尾の子音「r」を取り除くと)、「i・i・u・uる・uれ・iよ」と活用(変化)しますが、母音の音階「a・i・u・e・o」の「u」の音と、の方の「i」の音の二段●●にまたがる活用なので、「上二段●●●活用」と言われるわけです。

 

万が一、上二段活用の活用(変化)の仕方を忘れた場合は、この理屈を思い出してください。

 

以上のことが頭に入っていると、次の問題が簡単に解けます!

 

例題

傍線部の動詞の活用の種類と活用形を答えなさい。

 

①毎朝、6時に起きて学校に行く。

朱雀大路すざくおおじを行きて、かの大納言の住む東三条院をなむ過ぐる。

③人恨みず、まさに聖人なり。

 

解説

①「起く」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「起きず」となります。

 

ローマ字で表せば「起ki+ず」となり、未然形が「i」の音と分かりますので、上二段活用となります。

 

また、上二段の活用表と照らし合わせれば、「き」のように「i」の音になるのは未然形か連用形となります。

 

前回も練習しましたが、接続助詞「て」の上は必ず連用形でしたよね。

 

従って、答えは連用形となります。

 

②「過ぐ」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「過ぎず」となります。

 

ローマ字で表せば「過gi+ず」となり、未然形が「i」の音と分かりますので、上二段活用となります。

 

また、上二段の活用表と照らし合わせれば、「ぐる」のように「uる」の音になるのは連体形となりますので、答えは連体形です。

 

ここは、以前も解説したように、強意の係助詞「なむ」があるため、係り結びの法則によって文末は終止形ではなく、連体形で終始しているわけです。

 

「恨む」は覚えるシリーズの動詞ではありませんが、上でも述べた通り、見た瞬間、「上二段」と判断してください。

 

また、上二段の活用表と照らし合わせれば、「み」のように「i」の音になるのは未然形か連用形となります。

 

動詞の下に来るものは主に助詞か助動詞で、文章中「ず」は重要な助動詞です。

 

助動詞は何形に接続するか決まっていて、「ず」は必ず未然形の言葉にくっつく助動詞ですので、答えは未然形となります。

 

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まとめ

「上二段活用」

上二段活用の見分け方

〇上二段活用の動詞は無数に存在するため、以下の見分け方を用いる。

「覚えるシリーズ」に属する動詞以外の動詞が出てきたら、その動詞は四段か、下二段か、上二段のどれかであるので、その動詞に「」、または「ない」をつけて未然形の音を確かめ、未然形の音が「i」だった場合、上二段活用と判断する。

 

〇以下の動詞は見た瞬間、上二段活用と判断する。

①「恨む」、「」、「滅ぶ」は上二段活用の動詞

②ヤ行上二段の動詞はの3つのみ

」、「」、「むく

 

上二段の活用表

動詞 語幹 未然形

連用形

終止形

連体形

とき

已然形

ども

命令形

 

活用の種類
下る

i

i

u

るる

uる

るれ

uれ

りよ

iよ

ラ行上二段活用

 

今日は、上二段活用の見分け方をマスターしてから寝てくださいね!笑

 

次回は、形容詞の活用の種類「ク活用」と「シク活用」についてです。

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