今日のポイント
用言の活用⑤
「覚えるシリーズ・カ行変格活用」
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覚えるシリーズ・カ行変格活用
前回の解説で、用言の活用の種類をマスターするには、まず動詞の数が極めて少ない活用の種類(上一段活用、下一段活用、カ行変格活用、サ行変格活用、ナ行変格活用、ラ行変格活用)、いわゆる「覚えるシリーズ」からマスターするべきだとお伝えしました。
ちなみに、「覚えるシリーズ」に該当しない動詞が出てきたら、それは必然的に四段活用、上二段活用、下二段活用のどれかであるということが分かりますので、いくつかのプロセスを経て、その中のどれかを決定します。
今日は、覚えるシリーズの「カ行変格活用」です。
カ行変格活用は、略して「カ変」と呼ばれます。
カ行変格活用の動詞メンバー
動詞の数が極めて少ない活用で、なんと言うことでしょう、「来」一語しかありません。
…と、習いますが、実際は「持て来」(持って来る)、「出で来」(出て来る・出来る)、「越え来」(越えて来る)、「まうで来」(参上して来る)など、動詞と「来」がくっついた複合動詞もカ変です。
「〇〇来」という言葉を見たら、カ変と思ってください。
ちなみに、「来る(来たる)」という動詞はカ変と間違えられることが多いですが、ラ行四段活用の動詞ですので注意してください。
カ変の活用表
動詞 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の種類 |
来 | 〇 | こ | き | く | くる | くれ | こ
(こよ) |
カ行変格活用 |
命令形が2つあるので注意してください。
語幹とは、形が変わらない部分のことを指しますが、カ変「来」は「こ」になったり「き」になったり、形が変わらない部分がないので「語幹なし」となります。
そのため、語幹の欄には「〇」や「×」を記入します。
これが頭に入っていると、次の問題が簡単に解けます!
例題
傍線部の動詞の活用の種類と活用形を答えなさい。
①遠距離恋愛の彼氏が昨日大阪から来て、浅草でデートしたの!
②障りの出で来れば、嵐のライブには行かず。
③嵐のライブの日、ついに来たる。
解説
①「来」とあるので、見た瞬間、活用の種類(活用(変化)の仕方)はカ変であるということが分かります。
あとは活用形(活用(変化)の状態)ですが、「来」に送り仮名がついていませんので、上の活用表と照らし合わせれば、「こ」「き」「く」のどれかということになります。
ちょっともの知り
学校の先生がよく口にしていると思いますが、「て」という助詞の上は必ず連用形になります。
そのため、「来て」の「来」は連用形となり、「き」と読むことが分かります。
答えは、カ行変格活用の連用形です。
②「出で来」とあるので、こちらも見た瞬間、活用の種類(活用(変化)の仕方)はカ変であることが分かります。
次に、活用形(活用(変化)の状態)ですが、「来れ」となっていますので、上の活用表と照らし合わせれば、已然形であることが分かります。
答えは、カ行変格活用の已然形で、「問題が出て来たので、嵐のライブには行けない」と訳します。
③ひっかけ問題です。
「来たる」となっていますので、ラ変ではなく、ラ行四段活用の動詞です。
「来たる」が「。」の上にあり、文章がそこで終了していますので、連体形ではなく終止形ということになります。
答えは、ラ行四段活用の終止形です。
まとめ
「覚えるシリーズ・カ行変格活用」
カ行変格活用の動詞メンバー
①「来」
②「〇〇来」(複合動詞)
例「持て来」、「出で来」、「越え来」、「まうで来」など
*「来る(来たる)」はラ行四段活用
カ行変格活用の活用表
動詞 | 語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の種類 |
来 | 〇 | こ | き | く | くる | くれ | こ
(こよ) |
カ行変格活用 |
今日は、カ変の動詞メンバーと活用表をマスターしてから寝てくださいね!笑
次回は、「覚えるシリーズ・サ行変格活用」です。
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