大学入試・滑り止め校確実ゲット!やり直し古典文法「用言の活用⑫」四段活用

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今日のポイント

用言の活用⑫

四段活用

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「四段活用」

四段活用の見分け方

以前の解説で、用言の活用の種類をマスターするには、まず動詞の数が極めて少ない活用の種類(上一段活用、下一段活用、カ行変格活用、サ行変格活用、ナ行変格活用、ラ行変格活用)、いわゆる「覚えるシリーズ」からマスターするべきだとお伝えしました。

 

「覚えるシリーズ」の動詞は全部で40個程度になりますが、これらの動詞を見た瞬間、それがどの活用の種類に属しているのか、そしてどのように活用(変化)するのか、すらすら言えるようになるまで記憶に定着させてください。

 

そして、「覚えるシリーズ」に属する動詞以外の動詞が出てきたら、その動詞は四段か、下二段か、上二段のどれかであるので、その動詞に「」、または「ない」をつけて、未然形の音を確かめます。

 

*動詞に「ず」、または「ない」をつけると然形になります

 

その時、未然形の音が「」だった場合、四段活用ということになります。

 

例えば、「泣く」という動詞は、覚えるシリーズにはありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「泣かず」となります。

 

ローマ字で表せば「泣ka+ず」となり、未然形が「」の音と分かりますので四段活用です。

 

応用ですが、」、「」、「」という動詞は、見た瞬間、四段活用だと判断してください。

 

「飽く」、「借る」、「足る」という動詞は、それぞれ「ず」、または「ない」を付けると「飽きず」「借りず」「足りず」となります。

 

ローマ字で表すと「飽ki+ず」、「借ri+ず」、「足ri+ず」となり、それぞれ未然形が「i」の音ですので、前回の解説を覚えている方は「上二段活用」ではないかと考えるかもしれません。

 

しかし、この3つの動詞は、実は古文では四段活用の言葉で、未然形はそれぞれ「飽かない」、「借らない」、「足らない」となります。

 

ひっかけ問題として入試に出題されますので、注意してください。

 

四段の活用表

動詞 語幹 未然形

連用形

終止形

連体形

とき

已然形

ども

命令形

 

活用の種類
泣く

ka

ki

ku

ku

ke

ke

カ行四段活用

 

ちょっともの知り

活用表を見ると分かる通り、四段活用の動詞は子音を取り除くと(例えば、「泣く」という動詞の活用語尾の子音「k」を取り除くと)、「a・i・u・u・e・e」と活用(変化)しますが、母音の音階「a・i・u・e」の四段●●にまたがる活用なので、「四段●●活用」と言われるわけです。

 

万が一、四段活用の活用(変化)の仕方を忘れた場合は、この理屈を思い出してください。

 

以上のことが頭に入っていると、次の問題が簡単に解けます!

 

例題

傍線部の動詞の活用の種類と活用形を答えなさい。

 

①今年は夏休みが一週間しかなくて泣きたい気分!

②鬼見つるときのことども、つぶさに書け

③雨降れば、男、女のもとには行かず。

④風こそ吹け

⑤やうやう女に飽きて、男去りけり。

 

解説

①「泣く」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「泣かず」となります。

 

ローマ字で表せば「泣ka+ず」となり、未然形が「a」の音と分かりますので、四段活用となります。

 

また、四段の活用表と照らし合わせれば、「き」のように「i」の音になるのは連用形ですので、答えは連用形です。

 

②「書く」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「書かず」となります。

 

ローマ字で表せば「書ka+ず」となり、未然形が「a」の音と分かりますので、四段活用となります。

 

また、四段の活用表と照らし合わせれば、「け」のように「e」の音になるのは已然形と命令形ですが、ここは明らかに命令している文脈ですので、答えは命令形です。

 

現代語訳「鬼を見た時のことを詳しく書け。」

 

③「降る」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「降らず」となります。

 

ローマ字で表せば「降ra+ず」となり、未然形が「a」の音と分かりますので、四段活用となります。

 

また、四段の活用表と照らし合わせれば、「れ」のように「e」の音になるのは已然形と命令形ですが、ここは先ほどの②の例題とは異なり、命令している文脈ではありません。

 

以前もお伝えしましたが、「ば」という接続助詞は未然形已然形の言葉にくっつきますので、ここは已然形だと分かるのです。

 

ちなみに、「ば」は未然形につくときは「~ならば」、已然形につくときは「~ので・から、~すると」と訳すという入試頻出事項を覚えているでしょうか?

 

ここは、已然形の「降れ」に「ば」が接続しているわけですので、「雨が降るので」と訳してください。

 

用言の活用が分かると、やっぱり便利ですよね。

 

次に、「行く」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「行かず」となります。

 

ローマ字で表せば「行ka+ず」となり、未然形が「a」の音と分かりますので、四段活用となります。

 

また、四段の活用表と照らし合わせれば、「か」のように「a」の音になるのは未然形ですので、答えは未然形です。

 

これも以前解説しましたが、助動詞はそれぞれ何形に接続するか決まっています。

 

「ず」は重要な助動詞の一つで、必ず未然形に接続する助動詞でした。

 

そのため、やはり答えは未然形となります。

 

④「吹く」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「吹かず」となります。

 

ローマ字で表せば「吹ka+ず」となり、未然形が「a」の音と分かりますので、四段活用となります。

 

また、四段の活用表と照らし合わせれば、「け」のように「e」の音になるのは已然形と命令形です。

 

文をよく見てみると、係り結びの法則を起こす「こそ」という強意の係助詞がありますね。

 

これも以前お伝えしましたが、「こそ」がある場合、文末は終止形ではなく、已然形にしなければならないルールがあります。

 

従って、答えは已然形です。

 

現代語訳「風が吹く。」

 

「飽く」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんが、見た瞬間、四段活用だと判断します。

 

また、四段の活用表と照らし合わせれば、「き」のように「i」の音になるのは連用形ですので、答えは連用形です。

 

次に、「去る」は、覚えるシリーズの動詞ではありませんので、四段か、下二か、上二です。

 

「ず」を付けると「去らず」となります。

 

ローマ字で表せば「去ra+ず」となり、未然形が「a」の音と分かりますので、四段活用となります。

 

また、四段の活用表と照らし合わせれば、「り」のように「i」の音になるのは連用形ですので、答えは連用です。

 

③の例題で解説したように、助動詞はそれぞれ何形に接続するか決まっています。

 

「けり」は重要な助動詞の一つで、必ず連用形に接続する助動詞でした。

 

そのため、やはり答えは連用形となります。

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まとめ

「四段活用」

四段活用の動詞は無数に存在するため、以下の見分け方を用いる。

①「覚えるシリーズ」に属する動詞以外の動詞が出てきたら、その動詞は四段か、下二段か、上二段のどれかであるので、その動詞に「」、または「ない」をつけて未然形の音を確かめ、未然形の音が「」だった場合、四段活用と判断する。

②「」、「」、「」も四段活用の動詞である。

 

四段の活用表

動詞 語幹 未然形

連用形

終止形

連体形

とき

已然形

ども

命令形

 

活用の種類
泣く

ka

ki

ku

ku

ke

ke

カ行四段活用

 

今日は、四段活用の見分け方をマスターしてから寝てくださいね!笑

 

次回は、「下二段活用」についてです。

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