旧暦・月の異名の種類とその覚え方

はじめに

こんにちは。

新年度が始まり、桜の季節「春」となりました。しかし、日本では新年度の幕開けとなる「4月」は昔の暦こよみでは「初夏」に当たるということを知っていますか？古典の授業で習った方も多いかもしれませんね。古典に出てくる昔の暦こよみは、月の満ち欠けを基準にする暦（=旧暦・太陰太陽暦）なので、現在の太陽を基準にする暦（=新暦・太陽暦）とは約ひと月からひと月半ほど季節感がズレてきます。たとえば、夏真っ盛りの「七、八月」は、旧暦では「秋」になり、冬真っただ中の「一月」は、旧暦では「春」ということになるのです。その名残で、現在でも年賀状に「新春」とか「迎春げいしゅん」と書くわけです。今回は、日本人の常識として知っておきたい「旧暦・月の異名の種類とその覚え方」をご紹介したいと思います。

旧暦・月の異名の種類とその覚え方

春（一月～三月）

一月　睦月むつき…お正月には家族親戚が仲「睦むつ」まじく集うから。

二月　如月きさらぎ…春といってもまだ寒いので、「衣を着●て、さら●●に着●る」から。

三月　弥生やよい…「弥」は「いよいよ・ますます」の意。春も盛りになって、草木がいっそう「生」えてくる時期だから。

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夏（四月～六月）

四月　卯月うづき…「卯うの花」の花盛りだから。

五月　皐月さつき…田植えで早苗さなえを植える時期だから。

六月　水無月みなづき…「無」は昔の助詞「の」に相当し、梅雨時で雨が多いので「水の月」とも言われる。また逆に、夏場で水が枯れて「水が無い」からとも言われている。

秋（七月～九月）

七月　文月ふづき/ふみづき…稲の穂が「ふ●ふ●む（=ふくらむ）」からとも、また七夕で詩歌の「文ふみ」（=ここでは短冊たんざく）を供えるからとも言われている。

八月　葉月はづき…木の「葉」が落ち始める時期だから。「は●ちがつ」だから、「は●づき」と覚える！

九月　長月ながつき…稲が実って穂が「長い」からとも、また秋も深まって夜が「長い」からとも言われている。

冬（十月～十二月）

十月　神無月かんなづき…「無」は昔の助詞「の」に相当し、収穫を感謝して神を祀まつるから「神の月」とも言われる。また逆に、年に一度の集会で日本中の神様がみんな出雲大社いずもたいしゃに出払ってしまうからとも言われている。

十一月　霜月しもつき…「霜」の降りる時期だから。

十二月　師走しわす…「年とし果はつ（=年が終わる）」がなまったものとも、また仏名会ぶつみょうえ（=その年の罪を懺悔ざんげし、その消滅を祈る法会ほうえ）のために法師●が忙しく走●り回る月だからとも言われている。

練習問題

春

一月　［　　　　　］

二月　［　　　　　］

三月　［　　　　　］

夏

四月　［　　　　　］

五月　［　　　　　］

六月　［　　　　　］

秋

七月　［　　　　　］

八月　［　　　　　］

九月　［　　　　　］

冬

十月　［　　　　　］

十一月　［　　　　　］

十二月　［　　　　　］

《語群》

ア　弥生　　イ　睦月　　ウ　水無月　　エ　葉月

オ　神無月　カ　如月　　キ　霜月　　　ク　皐月

ケ　師走　　コ　長月　　サ　文月　　　シ　卯月

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