大学入試~最強の現代文(評論文)読解法③

アイキャッチ画像 現代文読解攻略法
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この記事で分かること

☆評論文の読解法

→評論文を読解する際に、どのようなことに注意すればよいのか?

 

1.出典を確認し、どのようなテーマが論じられるか検討を付ける

2.形を変えて繰り返される表現に注意して、筆者の主張・論旨をつかむ

3.傍線部(抽象的な表現)の言い換えとなる具体的説明を見つけるコツ

4.二項対立(対比)に注意し、筆者の主張・論旨をつかむ

5.主張が表明されやすい表現に注意して、筆者の主張・論旨をつかむ

6.傍線部中にある指示語に注意して、選択肢を見極める

 

⚠︎1~3は前回・前々回の記事で紹介しました。

 

前回の「最強の現代文(評論文)読解法②」に引き続き、今回も効果的な評論文読解法について解説します。世の中に現代文の読解法を解説しているものは数多くあると思いますので、本日もそれらの解説に共通すること以外で、私が日ごろ生徒に伝えている評論文を読解する際のテクニックを紹介します。

 

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現代文(評論文)の読解法

二項対立(対比)に注意し、筆者の主張・論旨をつかむ

評論文では、対比関係がしっかりと整理できているかどうかが問われます。出題者の立場から言えば、対比は問題にしやすいのです。評論文は多かれ少なかれ、二項対立(対比)の構図になっています。なぜかといえば、何か新しい自説を展開するためには、従来の説に反駁はんばく(=他者の主張を批判し、反論すること。)しなければならないからです。

例えば、「地動説」を唱えるには、それまで主流であった「天動説」を否定しなければならない。同じように、「青色」が全ての色の頂点であることを主張するには、他の色を否定して、青色の優位性を論じなければならないのです。「論ずる」とは「対比する」こと、「対比する」ことは「論ずる」ことなのです。だから、対比はきちんと整理して読むことが論旨をつかむ上で大事ですし、先程も述べたように、出題者も対比は設問化しやすいので注意する必要があるわけです。

対比にはサインがあります。「しかし」「一方」「他方」「それに反して」「それとは逆に」「それとは異なり」「それとは違って」「それとは対照的に」などなど、これらを見つけたら、すかさず印をつけて、対比関係の整理を行ってください。

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主張が表明されやすい表現に注意して、筆者の主張・論旨をつかむ

筆者の主張・論旨をつかむことが重要であるということは、すでに理解していただけたと思います。では、筆者の主張は、どのようにして見つければよいでしょうか。前回の記事で、「形を変えて繰り返される表現」が筆者の主張であると申し上げましたが、他にも「筆者の主張が表明されやすい表現」というものがあります。

 

①「しかし」の直後

例 若いことは素晴らしい。しかし、若さはいつまでも続かない

 

譲歩じょうほ構文(「たしかにAだ。しかし、Bだ。」)の「しかし」の直後

例 たしかに、あの絵は素晴らしい。しかし、この絵はもっと素晴らしい

※「たしかに」の代わりに、「もちろん」「なるほど」「もっとも」「むろん」などが用いられることもある。

 

③「つまり・すなわち・要するに」の直後

 

④断定表現(「だ・である」)

 

 

傍線部中にある指示語に注意して選択肢を見極める

最後になりますが、みなさんが受験する「新テスト」の手本となるセンター試験お得意の問題を紹介します。それが指示語の問題です。センター試験「国語」の出題範囲には国語総合も含まれます。つまり、基本的な文章の読み方も出題されるのです。というより、出題しなければならないのです。そのため、「漢字」「語彙(慣用句・ことわざ・故事成語)」「接続語」「因果関係」「具体的説明」、そして「指示語」も出題されるわけです。

どういう形で出題されるかということですが、「傍線部「それ」とあるが、何を指しているか答えなさい」などという安直な問題は出ません。センター試験の指示語問題は、長い傍線部中にひっそり指示語が潜んでいるので、受験生は、それが実は指示語の問題であることに気がつきません。

例えば、

この食形式の共有によってわれわれは奇妙な形で、われわれ自身をいつの間にか世界化している

という文章に傍線が引かれていて、その具体的説明を選択肢から選ばせるような問題があったとします。「この食形式」という部分に指示語が用いられていますので、この場合、指示語の指示内容を把握しているかどうかを尋ねる問題にもなっているわけです。センター試験の傾向から言えば、指示語の指示内容をしっかりと整理して選択肢を吟味・消去法をすると、最終的に二択~三択になることがほとんどです。また、傍線部中に指示語が含まれることもあれば、傍線部の外に付随していることもあります

 

例 この食形式の共有によってわれわれは奇妙な形で、われわれ自身をいつの間にか世界化している

 

このような場合も、同じように指示語の指示内容を明確にした上で、選択肢を吟味するようにしてください。

 

①傍線部中の指示語、傍線部外に付随する指示語がないか注意する。

 

②指示語があれば、その指示内容を必ず突き止める。

 

そうすれば、選択肢は二択~三択にまで絞れますので、正答率も高まってくるでしょう。これからは、くれぐれも傍線部中に指示語がないか、注意深く確認するようにしてください。

 

おまけ

これは以前の記事「現代文(評論文)の勉強法」の時にも言いましたが、現代文において語彙は極めて重要です。読解する際の重要性については以前触れましたので割愛しますが、語彙の意味を知っているだけで正答が選びやすくなる問題がセンター試験ではよく出題されていました

例えば、「無用むようよう」という言葉があります。これは中国の道家の思想書『荘子そうじ』に出てくる言葉です。以前、ある模試で、この言葉が含まれている長い文の具体的説明を問う設問がありましたが、この語彙の意味を知っていれば、すぐに答えを割り出せる問題となっていました。やはり、「語彙力」=「読解力」及び「解答力」なのです。

ちなみに、「無用の用」の意味は、「役に立たないように見えるものでも、かえって役に立つこともある」というものです。つまり、この世に無用なものは存在しないという老荘の教えです。

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まとめ

現代文(評論文)の読解法

☆「しかし」「一方」「それとは逆に」などといった二項対立(対比)のサインとなる言葉に注意しながら、対比関係を整理して筆者の主張・論旨をつかむ。

☆「しかし」や譲歩構文など、筆者の主張が表明されやすい表現に着目する。

☆傍線部中、または傍線部外に付随する指示語に注意し、指示語の指示内容を突き止めた上で選択肢を見極める。

 

現代文は暗記科目です。漢字を覚える。語彙を覚える。テーマを覚える。そして、本文の内容をしっかり整理して、その概要を頭に入れて選択肢から正答を見つけ出す。どうです、すべて暗記でしょう!現代文が苦手だと考えていた方は、これで勉強法と読解法が分かったと思いますので、ぜひこれからの読解練習で実践してみてください。

 

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