大学入試~最強の現代文(評論文)読解法②

アイキャッチ画像 現代文読解攻略法
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この記事で分かること

☆評論文の読解法

→評論文を読解する際に、どのようなことに注意すればよいのか?

1.出典を確認し、どのようなテーマが論じられるか検討を付ける

2.形を変えて繰り返される表現に注意して、筆者の主張・論旨をつかむ

3.傍線部(抽象的な表現)の言い換えとなる具体的説明を見つけるコツ

4.二項対立(対比)に注意し、筆者の主張・論旨をつかむ

5.主張が表明されやすい表現に注意して、筆者の主張・論旨をつかむ

6.傍線部中にある指示語に注意して、選択肢を見極める

⚠︎1は前回の記事で紹介しました。
⚠︎4以降は次回の記事で紹介します。

 

前回の「最強の現代文(評論文)読解法①」に引き続き、今回も効果的な評論文読解法について解説します。世の中に現代文の読解法を解説しているものは数多くあると思いますので、本日もそれらの解説に共通すること以外で、私が日ごろ生徒に伝えている評論文を読解する際のテクニックを紹介します。

 

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評論文の読解法

形を変えて繰り返される表現に注意して、筆者の主張・論旨をつかむ

センター試験の評論文では、「主張・論旨をつかむ」ことが極めて重要でした。なぜかといえば、「主張・論旨をつかむ」と、それだけで正答が割り出せる問題が複数含まれている場合があるからです。たとえその問題が、傍線部はどういうことかを問うものであったとしても、筆者の主張・論旨に沿っている選択肢をチョイスすれば正解になる例がたびたびあるのです。新テスト(大学入学共通テスト)も難易度的にはセンター試験と同様のものになるはずですので、このテクニックは今後も活かされるはずです。では、どうすれば、論旨はつかめるのでしょうか。

みなさんは保護者の方に、「お小遣いが欲しい」と伝える代わりに、いつも次のように訴えかけていませんか。

 

「○○が欲しい。」

「みんな○○を持ってるよ。」

「○○買っていいでしょ。」

 

などと、保護者の方に連発しますよね。でもこれ、いずれも異なる表現に見えますが、実際は「〇〇を買ってほしい」、もしくは「〇〇を買うためのお小遣いが欲しい」ということを繰り返し主張しているのです。評論文はこの例と全く同じで、筆者の主張は形を変えて繰り返されます。この繰り返される筆者の主張・論旨に気づく目を養うことが大事なのです。

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例えば、以下の文章は「コインは円形である」という有名な評論文からの抜粋ですが、この論考では「一面だけに捉われることなく、多角的な立場から物事を見つめることこそが、多様な価値観を有する現代を生きる上で必要な姿勢だ」というのが筆者の主張でした。それを筆者は次のように、形を変えながら繰り返し表現したのです。

 

「コインは年中円形に見えるわけではない。水平方面から眺めれば、明らかに、薄い長方形に見えるはずだ。」

(中略)

「ある位置にあぐらをかいたまま、腕を組んで眺めているだけでは、物の真相はよく見えない。」

(中略)

「自分の視点と自分の言葉遣いだけが正しいと信じきっている人は、想像力ないし創造力を欠いているために、自分とは異なる立場から見える景色を思い描くことができない。」

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こうした文章が、たとえ離れた位置にあったとしても、同一の趣旨に基づいて記された表現であるということに気が付けるよう、みなさんは訓練を重ねる必要があるのです。

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傍線部(抽象的な表現)の言い換えとなる具体的説明を見つけるコツ

例えば、「ものの役に立つことは大事である」という文章に傍線が引かれていて、この部分の説明としてふさわしい選択肢を選ばなければならなかったとします。「ものの役に立つ」という部分が、筆者特有の抽象的な表現になっているわけですが、「ものの役に立つ」という言い回しが世間一般に通用する表現ではないことは筆者も分かっています。そのため、この表現の後に、みなさんは筆者が具体的な説明を展開するはずだと考えるのです。そして、数行後に「~は大切だ」とか「~は重要だ」などという表現を見つければこっちのものです。これらは、「ものの役に立つことは大事である」の「大事である」と表現が似通っています。つまり、ここで具体的な説明を施しているのだと感づくわけです。

 

ものの役に立つことは大事である。」←筆者特有の抽象的な表現

(数行後)

「~をすることは重要である。」←具体的な説明(傍線部の言い換え(答え))

 

類似する表現に着目し、傍線部の言い換え(答え)となる具体的説明部分を発見する!

 

もう一例を示すと、例えば、「差異」(=(性質・働きなどの)違い。)という言葉に傍線が引かれていて、どういう「差異」なのかを尋ねられている場合、この言葉の前後に「~の違い」や「~の相違」などという言葉を探すのです。つまりそこが、「差異」の具体的説明になっているというわけです。

筆者特有の抽象的で、分かりづらい言葉が出て来たからといって、くれぐれも読むのを諦めないようにしてください。筆者は必ず具体的な説明をするはずです。抽象的な表現の後に、その部分と似通った表現はないかを探す目を養ってください

 

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まとめ

現代文(評論文)の読解法

☆筆者の主張・論旨を把握していると、複数の問題で正しい選択肢を見極めることが容易になるので、筆者の主張の表明が行われやすい「形を変えて繰り返される表現」に注意して、本文の論旨をつかむようにする。

☆類似した、似通った表現に注意して、傍線部(抽象的な表現)の言い換えとなる具体的説明を見つける目を養う。

 

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