記事の概要
大学入学共通テストまで、間もなくあと200日となります。
昨年度の一般入試(=現「一般選抜」)は、兼ねてからの予想を上回り、極めて厳しいものになりました。
以前、「今年度の一般入試が難化する理由」を解説しましたが、今年度も引き続き難化することが予想されています。
そのため、様々な種類がある推薦入試を効果的に活用する戦略が極めて有効です。
一部の大学が実施している併願方式の推薦入試を利用すれば、合格した場合、3月末まで入学の権利が与えられるお得な入試制度もあります。
前回は、「大学から評価される志望理由書」について解説しましたが、推薦入試においては調査書や志望理由書の提出、面接試験が課されることがほとんどです。
面接試験では、必ずと言っていいほど、以下の事項が質問されます。
①志望理由(志望動機)
②自己 PR
③高校生活で特に頑張ったこと
④オープンキャンパスの感想
⑤長所・短所
⑥合格してから入学するまで何をするか
この記事では、昨年度まで2年連続して高校3年生の担任を務めてきた経験を活かして、推薦入試の面接において高確率で質問される事項と、その質問に対する効果的な受け答えについて具体的に解説しようと思います。
長年の間、受験指導・進路指導に携わってきた経験から、高校生やその保護者の方、新任の先生向けに、ここだけの、取っておきの、実践的な入試攻略法をご紹介しています。
最新の情報が入り次第、記事の内容を更新したいと思いますので、定期的にサイトをご訪問ください。
大学入試お役立ち情報一覧

面接で必ず質問されることとは?
面接で最もよく質問されるのは「志望理由」です。
その次に多いのが、「自己PR」や「高校生活で特に力を入れたこと」などです。
しかし、最近では、
「この大学に進学することで、あなたの研究にはどのような点でプラスに働きますか?」(=志望理由)
「他者に貢献しようと考えたときに、自分の強みになる部分はどんなところだと思いますか?」(=自己PR)
などと、角度を変えて質問を行う大学が増えてきました。
また、雑談を織り交ぜながら、受験生の本質に迫ろうとする大学もあります。
これは、明らかに学力の三要素の一つである「思考力・判断力・表現力」の伸長を測るための変化でしょう。
ただし、どんなに角度を変えた、遠回しで婉曲な質問であったとしても、その内実は「志望理由」や「自己PR」、「高校生活で力を入れたこと」など基本的なことばかりです。
そのため、従来通り、基本的な質問に対する備えを万全にして面接に臨みましょう。
その準備がしっかりできていて、初めて角度を変えた質問にも対処できるのですから。
本日は面接でよく質問される事項と、その効果的な受け答えの仕方を紹介します。
すべての受け答えが論理的で、かつ大学での学習・研究、将来を見据えたものになっています。
論理性と目的意識を有する姿勢は、昨今の大学が求める人物像に適うものとなります。
このテンプレをもとに、面接の大まかなセリフを考えてください。
志望理由(志望動機)
志望理由書の圧縮版です。
志望理由書と文言は変えて簡潔に述べます。
その大学に進学したい最大の理由を二つ以上と、志望理由書には書かれていない理由をもう一つ付け加えます。
学びたい(研究したい)ことを簡潔に述べる
↓
その理由を述べる
↓
進学したい理由を述べる
その大学がなぜ自分にとってふさわしいのか、例えば、
「その大学が専門とする研究領域と、自分の興味や関心がある分野との親和性」
「その大学のアドミッション・ポリシーに対する自らの適性」
「その大学の授業・ゼミナール(教授)・留学制度・資格支援制度・インターン・施設設備などを利用すれば、更に深く研究できるということ」
などと絡めて具体的に述べる
↓
学んだことを活かして、将来はどのように社会貢献するつもりかを述べる
自己PR・長所
自分がPRしたい、誇りたい長所などを簡潔に述べる
(その大学のアドミッション・ポリシーに合致していることが望ましい)
↓
これまでその長所をどのように培ってきたか、またはこれまでその長所がどのように発揮されてきたかを述べる
(高校時代の活動を中心に、具体的な事例をもとにして述べる)
↓
その長所を用いて、大学進学後も学習・研究に努力することを宣言する
高校生活で特に頑張ったこと
頑張ったことを具体的なエピソードと共に述べる
↓
その行動から、何を獲得し(学び取っ)たかを述べる
↓
そこで獲得し(学び取っ)たことを活かして、大学進学後も学習・研究に努力することを宣言する
オープンキャンパスの感想
オープンキャンパスで発見したその大学の魅力(2つ以上)
(志望理由書には書いていない大学の魅力を含める)
↓
その魅力に触れて、ますます進学したくなったと宣言する
短所
短所を簡潔に述べる
↓
〇〇の活動や習慣などを通して、その短所を克服するよう努めてきたことを必ず述べる
合格してから入学するまで何をするか
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その他、よく質問される事項
〇なぜ推薦入試を受験したのか
「早期に合格することで、〇〇の勉強を行ったり、〇〇の資格を取得したりするなど、大学での研究(学習)を円滑に行うための準備ができるから」などと述べるとよい。
〇将来のビジョン
将来関わりたい業界や将来就きたい職業を明示し、どのように活動していくつもりかを述べる。
その際、社会貢献の要素を絡めることが必須。
〇得意な教科・苦手な教科(好きな教科・嫌いな教科)
得意(好き)な教科は、主要5科(国語・数学・理科・社会・英語)のいずれかで、志望学部に関わりのある教科が望ましい(体育学部を除く)。
苦手(嫌い)な教科は、得意(好き)になるよう努めてきたことも述べる。
〇最近気になったニュース
幅広く情報に触れていることを示したいので、志望学部や自分の興味・関心に関わるニュースと、それとは別分野のニュースのそれぞれに言及できることが望ましい。
そのニュースを知って、どのようなことを考えたのか説明できるようにする。
〇最近読んだ本の中で感銘を受けたもの
どのようなところに感銘を受けたか、そしてその本から何を学び(獲得し)、自分の生活や人生にどのような影響を及ぼしたかを述べる。
例えば『桃太郎』でしたら、「桃太郎が鬼に立ち向かうところ」に感銘を受け、そこから「どんな困難にもくじけずに挑戦することの大切さ」を学び、「部活動でも高い目標を持つようになった」などと述べます。(笑)
〇建学の精神(教育理念)・アドミッション・ポリシーを知っているか
パンフレットなどを活用して、しっかり把握しておくことが必須。
大学の学長の名前を尋ねられることもあります。
〇担任の先生の名前・通っている高校の特徴
受験生の協働性・協調性を測っています。
〇尊敬する人
どのような点で尊敬しているか、そしてその人から何を学び(獲得し)、自分の生活や人生にどのような影響を及ぼしたかを述べる。
上記の『桃太郎』の例に当てはめてみて下さい。
〇入試会場までの交通経路
論理的に説明する力があるかどうかを測っています。
〇趣味
「読書」や「映画鑑賞」など面接用の趣味を設定する必要はありません。
ただし、面接官の話が広がりそうな趣味が望ましい。
効果的な面接対策とは?
丁寧な志望理由書作成こそが、最大の面接対策になります。
なぜなら、面接で最も聞かれる質問は、そして面接で最も時間を割かれる質問は「志望理由」だからです。
志望理由書にはその大学に進学するための、あらゆる「なぜ」が込められています。
そのため、例えば「なぜそれを研究したいのか?」「なぜその大学でなければダメなのか?」など、「なぜ」が自分の中で固まっている人や、それを志望理由書に理路整然と表現できる人は、面接でもしっかりとした返答が出来るのです。
最近では、どの大学でも「オープンキャンパスの感想」について尋ねてくることかが多いです。
というより、オープンキャンパスに参加するのは前提として、面接は行われると思ってください。
他の大学ではなく、なぜその大学に進学したいのか、その理由を模索するためにも、そして志望理由書作成や面接対策のためにも、必ずオープンキャンパスには複数回参加するようにしてください。
私の教え子ですが、大本命の大学のオープンキャンパスに計6 回参加した生徒がいました。
評定平均値はそれほど高くありませんでしたが、現在人気の高い武蔵野大学に合格しました。
一般入試が難化している状況下で、大金星と言えます。
推薦入試有効活用のススメ
面接で必ず質問されることについてご理解いただけたと思います。
最近の推薦入試では面接を実施する代わりに、グループディスカッションやプレゼンテーションによって審査する大学も増えています。
そのため、推薦入試を受験する可能性がある場合は、日頃からグループワークにおいて盛んに自分の意見を主張したり、時にはリーダーを務めてグループの意見をまとめたり、積極的に議論に参加する習慣をつけることが大事です。
大学は楽しいところです。
自分の好きな勉強がとことんできるわけですから。
是非、自分の夢を叶えてください。
そのためにも、今日から、今から動いてください。
いま動かない人は、1 か月経っても半年経っても動きません。
後悔のない1学期を過ごしてくださいね!
その他、聞いてみたいことがありましたら、問い合わせフォームにてお尋ねください。
当サイトでは、大学入試お役立ち情報を発信しておりますので、ぜひこの機会に推薦入試に関する知識を深めてください。
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