【最新】大学推薦入試⑤大学に評価される志望理由書~書き方・構成

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記事の概要

大学入学共通テストまで、間もなくあと200日となります。

 

昨年度の一般入試(=現「一般選抜」)は、兼ねてからの予想を上回り、極めて厳しいものになりました。

 

以前、「今年度の一般入試が難化する理由」を解説しましたが、今年度も引き続き難化することが予想されています。

 

そのため、様々な種類がある推薦入試を効果的に活用する戦略が極めて有効です。

 

一部の大学が実施している併願方式の推薦入試を利用すれば、合格した場合、3月末まで入学の権利が与えられるお得な入試制度もあります。

 

前回は、「大学から評価される調査書」について解説しましたが、推薦入試を受験する際には必ず「調査書」(高校が作成する内申書)を提出しなければなりません。

 

また、ほとんどの場合、「志望理由書」の提出が義務付けられています。

 

大学から高く評価される志望理由書にするには、必ず盛り込まなければならないポイントがあります。

 

①現在学びたいこと(研究したいこと)

② ①を学びたい(研究したい)と考えたきっかけ・理由

③高校生活で①をどのように進めて来たか(深めて来たか)?

④ ③の結果、どのような成果を修め、どのような反省点や新たな問いが生まれたか?

⑤ ①を行うために、そして④の反省点・新たな問いを解明するために、その大学に進学するのが適当だと考える根拠と4年間の学習計画

⑥大学での学びを活かして、将来どのように社会貢献するか

 

この記事では、昨年度まで2年連続して高校3年生の担任を務めてきた経験を活かして、大学に評価される志望理由書について具体的に解説しようと思います。

 

長年の間、受験指導・進路指導に携わってきた経験から、高校生やその保護者の方、新任の先生向けに、ここだけの、取っておきの、実践的な入試攻略法をご紹介しています。

最新の情報が入り次第、記事の内容を更新したいと思いますので、定期的にサイトをご訪問ください。

 

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大学に評価される志望理由書とは?

志望理由書は、時に志望動機書とも呼ばれ、推薦入試ではほぼ全ての大学で提出を求められます。

 

中には、この志望理由書が優れていなければ、二次審査・本選考に進めない大学もあります。

 

「文章が下手だ!」とか、「どう書いたらいいか分からない!」といった不安をよく耳にしますが、志望理由書は担任の先生や国語の教員と二人三脚で、一分の隙もないものを作り上げます。

(そのせいで、われわれ、国語の教員は8月末〜11月末まで地獄となるのですが。笑)

 

そのため、文章や文体は後でなんとでもなることです。

 

問題なのは、受験生が志望理由書の内容を充実させるだけの材料を持っているかどうかです。

 

志望理由書の字数

志望理由書は、短いもので200字、長いものでは2000字程度記述させる大学もあり、一般的には800字以内が多いです。

 

「800字も!」と驚いた人がいるかもしれませんが、合格する生徒ほど字数制限に収まり切らず、どこを削ろうか一緒になって考えることがよくあります。

 

合格する生徒はそれくらい多くの活動をして、そこから色々なことを獲得しているから合格するのです。

 

志望理由書に必ず盛り込むべきポイント(構成順)

現在学びたいこと(研究したいこと)
【point】ここが決まらないことには、もはや進学したい大学はもちろん、学部や学科さえも決められないと思いますので、今のうちに書籍やメディアなどを通して見聞を広め、興味・関心がある分野の特定に努めてください。
①を学びたい(研究したい)と考えたきっかけ・理由
【point】この部分の説得力がなければ、すぐに研究を放り投げてしまう可能性があると思われてしまいます。

そのため、なぜ研究したいのか、具体的なエピソードなどを含めてしっかりと根拠を示してください。

高校生活で①をどのように進めて来たか(深めて来たか)?
【point】学習活動・留学・研修・コンクール・ボランティア活動・自主的な調査などを通して行った考察について記入します。
③の結果、どのような成果を修め、どのような反省点や新たな問いが生まれたか?
【point】従来はここまで書く必要はありませんでしたが、近年大学側は確実に「高大接続」ということを意識しています。

そのため、高校で何らかの学び(研究)を行っていて、その学び(研究)を大学でも発展的に、継続的に行いたいと考えている受験生が高い評価を得られるようになってきています。

この部分が記入できている受験生は、高校でも深い学び(研究)を行ってきたことが証明されますので、出来る限り興味・関心があることの探究に努めてください。

①を行うために、そして④の反省点・新たな問いを解明するために、その大学に進学するのが適当だと考える根拠と4年間の学習計画
【point】自分の興味・関心を持っていることや、今までの学習活動などを通して探究してきたことが、その大学の授業・ゼミナール(教授)・留学制度・資格支援制度・インターン・施設設備などを利用すれば、更に深く研究できるということを具体的な学習計画とともに示してください。
大学での学びを活かして、将来どのように社会貢献するか
【point】大学卒業後はどのようにして人々に貢献するのか、そのビジョンを考えてください。

 

字数制限が200字程度の志望理由書など、字数が極端に少ない場合は例外ですが、この6点を書くための材料を揃えることが、充実した志望理由書を仕上げる秘訣となります。

 

推薦入試を考えている方は、「ただ進学したい」「ただ学びたい」ではなく、以上のポイントに注意して、いまから志望理由書に執筆する具体的な材料を集めてください。

 

大学によっては、自己PR(=今まで努力してきたことや長所)を盛り込むことを求められる場合もあります。

 

その場合は、その長所を用いて大学においても引き続きひたむきに学習・研究に取り組める、頑張れるということを宣言してください。

 

委員会やボランティア、部活動などを通して活動領域を広げ、試行錯誤や成功・失敗の末に長所を獲得してください。

 

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志望理由書は加点、または減点方式で判定される!?

大学側も多数の受験生の志望理由書を隅から隅まで確認し、みんなでああでもないこうでもないと議論することなど不可能です。

 

これは私の憶測ですが、「先ほどの6点がきちんと志望理由書に網羅されているかどうか」に加えて、「その志望理由書の内容がアドミッション・ポリシー(=入学者を選抜するための、各大学事務局が設定している受け入れ方針)に適合しているかどうか」などを加点、もしくは減点方式で評価を下しているのではないかと考えています。

 

もちろん、大学によって判定項目はまちまちだと思いますが、多かれ少なかれこのような方式で明快に(=不公平にならないように)、機械的に、簡易的に判定を下していると考えています。

 

実際、私が指導をしている生徒には必ずこの上記の項目を網羅させますが、書類選考合格率は極めて高いです。

 

志望理由書に書くべき材料の揃え方

志望理由書を書くに当たっては、受験する大学の情報をきちんと把握する必要があります。

 

そうでなければ、進学する理由(=その大学が専門とする研究領域と、自分の興味や関心がある分野との親和性)や4年間の学習計画など書けたものではありません。

 

大学なら全国にごまんとあるのです。

 

例えば、「なぜ日大の経済学部なのですか?専修大学の経済学部ではいけない理由はなんですか?」と問われて、受験生であるあなたはきちんと、理路整然とその理由を説明できるくらいにまでならなければなりません。

 

出願する可能性が高い大学に関しては、以下の方法で情報収集をしてください。

 

パスナビ(旺文社のサイトで「〇〇大学 パスナビ」と検索する)

マナビジョン(ベネッセのサイトで「〇〇大学 マナビジョン」と検索する)

・パンフレット

・ホームページ

・大学合同説明会

・オープンキャンパス

・学校見学

・先生や、その大学に進学した先輩から話を聞く

 

面倒臭いのか、ホームページしか閲覧していない受験生をよく見掛けますが、大学によってはホームページとパンフレットで情報量が異なりますので、必ずどちらの媒体も確認するようにして下さい。

 

パンフレットは、スタディ・サプリやキャリスタ進学のサイトでまとめて入手できますので利用してみて下さい。



次に、ホームページやパンフレットだけでは得られない情報を、オープンキャンパスに参加して入手します。

 

近年、オープンキャンパスに参加したかどうかを面接で問う大学が増えています。

 

オープンキャンパス参加の有無を尋ねることによって、受験生の本気度や、きちんと大学の詳細を知った上で受験しているのかを確認しているのだと思います。

 

大学側としたら、せっかく入学してくれるわけですから、実りある4年間を過ごすためにしっかりと下調べをした上で(=4年間通い通せるという実感を持った上で)入学してほしいはずです。

 

それに、途中で辞められたら授業料が得られないわけで、これは大学の経営にとっては大変なリスクとなります。

 

だからこそ、受験生の本気度を試すためにも、オープンキャンパスに参加したかどうかを質問するのです。

 

少なくとも2回、もし都合が合うなら行けるだけ行ってください。

 

複数回オープンキャンパスに参加した生徒は、当たり前ですがやはり合格することが多いです。

 

その大学に進学したい気持ちも伝わりますし、当たり前ですがオープンキャンパスに何度も参加して大学のことを熟知しているわけですから、志望理由書も面接も完璧に近い仕上がりになっています。

 

万が一、オープンキャンパスに参加することができなかった場合、「学校見学」に行くという手もあります。

 

これはあらかじめ日程が決まっているものもありますし、事前に各自で予約して見学させてもらうこともできます。

 

オープンキャンパスは、早いところでは4月から開催する大学があります。

 

今年はこのような情勢ですので、開催するかどうか全く読めないところですが、ホームページやパンフレットを確認し、もし開催するのであれば必ず参加するようにしてください。

 

進学したい大学の雰囲気に触れることで、学習に前向きになる受験生が少なくありません。

 

推薦入試のためにも、一般入試のためにも、ぜひとも大学に足を運んで最高学府の空気に触れてみてくださいね!

 

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推薦入試有効活用のススメ

大学から評価される志望理由書についてご理解いただけたと思います。

 

締め切りの1週間前に書き(考え)始めて間に合うものでは決してないことが、これで分かると思います。

 

大学側は志望理由書を通して、

 

・高校生活を漫然と過ごしていませんでしたか?

・将来について真剣に考えてきましたか?

・他の大学ではなく、われわれの大学に進学したい根拠は何ですか?

・大学で学んだことを、どのように社会に還元していくつもりですか?

 

というような点で、みなさんの本気度を確かめています。

 

これらの問い掛けに対して十分に答えられるだけの材料を、推薦入試が本格化する9月までに揃えてください。

 

あまり知られていないことですが、現在推薦による入学者は、全入学者の約半数を占め、その数は年々増加しています。

 

つまり、推薦合格者の定員の枠は増す一方なのです。

 

近年、首都圏の大学の定員厳格化の影響で、一般入試での合格は至難の業となり、受験すれば必ず入れたような偏差値の低い大学、いわゆるFラン(ボーダーフリーの)大学はなくなりました。

 

そのため、一般入試の前に推薦入試を受験することで、少しでも合格する可能性を高めた方が賢明なのです。

 

推薦を受験するにはそれなりの準備が必要です。

 

しかし、いまから適切な準備を少しずつ行えば、一般の勉強に差し支えることなく、合格の可能性を広げることができます。

 

本日お示ししたポイントがきちんと埋まるように、今から学びたいこと、志望校、将来のことについて考えを巡らせてみてください。

 

当サイトでは、大学入試お役立ち情報を発信しておりますので、ぜひこの機会に推薦入試に関する知識を深めてください。

 

次回は「面接で必ず質問されることとは?」について具体的に解説したいと思います。

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