【最新】大学推薦入試④大学に評価される調査書~評定平均値・出欠席

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記事の概要

大学入学共通テストまで、間もなくあと200日となります。

 

昨年度の一般入試(=現「一般選抜」)は、兼ねてからの予想を上回り、極めて厳しいものになりました。

 

以前、「今年度の一般入試が難化する理由」を解説しましたが、今年度も引き続き難化することが予想されています。

 

そのため、様々な種類がある推薦入試を効果的に活用する戦略が極めて有効です。

 

前回は、「推薦入試で併願可能な大学」について解説しましたが、推薦入試を受験する際には必ず「調査書」(高校が作成する内申書)を提出しなければなりません。

 

調査書には、大学が評価の基準にするいくつかの項目が記載されます。

 

①評定

学年ごとの各教科の評定

3年1学期までの各教科それぞれの評定平均値

3年1学期までの全教科合計の評定平均値

3年1学期までの評定段階

②学年ごとの欠席・遅刻・早退回数

③学年ごとの担任の所見

④学年ごとの学内・学外活動

⑤資格や受賞歴など

 

この記事では、昨年度まで2年連続して高校3年生の担任を務めてきた経験を活かして、大学に評価される調査書について具体的に解説しようと思います。

 

長年の間、受験指導・進路指導に携わってきた経験から、高校生やその保護者の方、新任の先生向けに、ここだけの、取っておきの、実践的な入試攻略法をご紹介しています。

最新の情報が入り次第、記事の内容を更新したいと思いますので、定期的にサイトをご訪問ください。

 

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大学に評価される調査書とは?

推薦入試において、大学は以下の項目で受験生を総合的に評価します。

 

〇「調査書」(高校が作成する内申書)

〇「志望理由書」

〇「面接」(大学によっては、専門分野の口述諮問やプレゼンテーションを課すこともあります。)

〇「小論文」または、「作文」

〇場合によっては、担任の先生などが記入した推薦状や活動報告書、資格取得証明書など

 

推薦入試では志望理由書や小論文、面接が重要であるということを知っている受験生や保護者の方は多いです。

 

反面、調査書についてはノーマークです。

 

調査書とは所属する高校が発行する内申書のことで、高校3年1学期までの受験生の情報が網羅されたものとなりますので、重要でないわけがありません。

 

例えば、欠席や遅刻が多かったり、著しく成績が良くなかったりした場合、書類選考で不合格となることも珍しくありません。

 

逆に、評定がA段階(後述)であったり、3か年皆勤であったり、また留学経験や何らかの受賞歴があれば、その受験生が当落線上にいた場合、選考では有利に働きます。

 

また、この調査書は、面接官が質問する際の材料となりますので、出来る限り質の高いものを提出したいところです。

 

調査書の内容とは?

調査書は所属する高校によって書式は変わりますが、内容は変わりません。

 

○氏名

○生年月日

○住所

○電話番号

○入学年月・卒業見込み年月

○評定

学年ごとの各教科の評定

3年1学期までの各教科それぞれの評定平均値

3年1学期までの全教科合計の評定平均値

3年1学期までの評定段階

○学年ごとの欠席・遅刻・早退回数

○学年ごとの担任所見

 

以下、活動していれば、学年ごとに記入される項目

○係・委員会・生徒会

○部活動

○資格や受賞歴

○ボランティア活動

○海外語学研修など

 

経験上、大学側が重要視するのが、「学年ごとの欠席・遅刻・早退回数」、「3年1学期までの各教科それぞれの評定平均値と、全教科合計の評定平均値、及び評定段階」です。

 

学年ごとの欠席・遅刻・早退回数

学年ごとの回数が記されるため、例えば1学年の時に無遅刻無欠席であった場合、調査書には「皆勤」と印字されます(印字されてなければ、担任の先生に記載してもらってください)。

 

皆勤は高評価になりますので、出来る限り休まないことを心がけましょう。

 

皆勤ではないにせよ、いずれの回数も少ないに越したことはありません。

 

欠席や遅刻が多い生徒は周囲の学生に悪い影響を与える恐れがありますし、また退学する可能性も考えられます。

 

生徒一人が退学した場合、年100万円近い授業料が納付されなくなるわけですから、大学側としては死活問題です。

 

そのため、大学側は高校在学中の欠席・遅刻回数を気にするのです。

 

3年1学期までの各教科それぞれの評定平均値と、全教科合計の評定平均値、及び評定段階

評定平均値とは、1年から3年1学期までに履修した全教科5段階評価の平均値です。

 

この評定平均値には等級が定められています。

 

   段階  評定平均値
  A段階  5.0〜4.3
  B段階  4.2〜3.5
  C段階  3.4〜2.7
  D段階  2.6〜1.9
  E段階   1.8以下

 

このように、評定の平均値に応じて、A〜E段階に振り分けられます。

 

重要なのは、4.2と4.3では0.1の差しかありませんが、天と地ほどの差があるということです。

 

推薦入試には多くの受験生が出願しています。

 

そのため、書類選考は機械的に処理されます。

 

書類選考において、大学側がA段階の受験生を優遇するという基準を内々に設けていれば、たとえ4.2という高い評定平均値を獲得していても有利にはなりません。

 

評定平均値は出欠席同様、受験生の常日頃の努力と学習意欲、伸びしろを測る上で大学側も非常に重視します。

 

推薦入試の出願基準として、評定平均値に一定の条件を設けている大学もありますので、志望している大学の出願基準は早めに調べておくと良いでしょう。

 

また、推薦入試で合格を勝ち得るには、少なくともB段階にまで評定平均値を高める必要があります。

 

常々生徒に言っているのは、

 

○3.5あれば出願可だが、合格の可能性は少ない

○3.8あれば、戦うことは可能

○4.0あれば、十二分に戦える

○4.3あれば、かなり面白い(=合格する可能性が大いにある)

 

むろん、所属している高校の偏差値レベルが低ければ、たとえ4.0を獲得していても大学側の評価は下がります。

また、志願する大学のレベルによっては、例えばGMARCHレベル以上の大学では4.0以上の生徒が多く受験してくるでしょうから、要するに評定は上げられるだけ上げておくことが大切なのです。

 

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学内・学外活動

学習面での評価は評定平均値で測られます。

 

では、学習面以外での評価、例えば人間性や専門分野に対する興味・関心、探究心などは何を基にして測られるのでしょうか?

 

それは、「学内・学外活動」です。

 

毎年、夏休みを過ぎた頃までに偏差値が思うように伸びず、一般入試を回避して推薦入試を受けようとする生徒がいます。

 

その際に、担任としてはその生徒が推薦入試に挑戦するに足る材料があるかどうかを探すわけですが、評定も低い、欠席遅刻がたびたびある、これといった活動もして来ていないというのでは、もはやどの大学も勧められなくなり、結果的に推薦も失敗し(そういう生徒に限って推薦で合格するだろうという安易な、希望的観測をして一般入試の勉強を疎かにしてしまうので)、当然一般入試も失敗するということが往々にしてあります。

 

「だから、4月にあれだけ言ったではないか・・・」と毎年思いますが、われわれが合否を決定する側だったとして、受験生に何か一つでも努力した痕跡が見つからなければ、その受験生に合格通知は出せないのも無理はありません。

 

大学は、受験生一人一人を深く知っているわけではありません。

 

そのため、評定や出欠席、諸活動で総合評価を下すしかないのです。

 

本日はAO入試(=現「総合型選抜」)と推薦入試(=現「推薦型選抜」)で高評価が得られる学内・学外活動のランクをS~Eランクに分けて紹介します。

 

ただし、これはあくまでも私が受け持って来た生徒の合格実績に基づくものですので、実際の評価基準は大学によって異なります。

 

このランクを参考にして、調査書の中身を充実したものにするべく、今から計画的に行動を開始してください!

 

AO入試(=現「総合型選抜」)と推薦入試(=現「推薦型選抜」)で評価を得られる学内活動ランク

生徒会は、私の教員人生の中でも無敵の感があります。

 

また、昨年度は引退まで部活動を行っていた生徒の合格が相次ぎ、部活動は強いな!と改めて思わされました。

 

ランク 学内活動
SSS 生徒会会長
S 生徒会会長以外の生徒会役員

部活動で全国大会出場(部長か、受賞しているならなお良し)

A + 部活動で全国八地方大会出場(部長か、受賞しているならなお良し)
A 部活動(3年間引退まで継続して活動)部長

部活動で都道府県大会出場(部長か、受賞しているならなお良し)

B+ 部活動(3年間引退まで継続して活動)副部長
B 学級委員長

部活動(3年間引退まで継続して活動)

C 学級副委員長

委員会

所属する高校の入試やオープンスクール補助生徒(手伝い)

D

体育祭参加

文化祭参加

E  日直

 



AO入試(=現「総合型選抜」)と推薦入試(=現「推薦型選抜」)で評価を得られる学外活動ランク

*TEAP、GTEC、TOEICは、実用英語技能検定(英検)の各級に照らし合わせてランクを割り出してください。

 

ここ5年ほどで、外国語系の資格取得のメリットが非常に大きいなと感じています。

 

特に、英検準1級以上になりますと、入試でも英語の試験が免除になったり、100点換算をしてくれたりするなど、大きな強みとなります。

 

ランク 学外活動
S S S 実用英語技能検定1級
S 実用英語技能検定準一級

学術全国大会出場(受賞しているならなお良し)

A ターム留学(3か月間。それより長期ならなお良し)
B+ 実用英語技能検定2級

長期ボランティア活動(消防少年団など)

文化・芸術コンクール受賞

B 短期ホームステイ(1か月間)

短期ボランティア活動(学童保育、看護体験、保育研修など)

文化的行事に継続参加(祭りのお囃子、日本舞踊など)

C 実用英語技能検定準2級

日本漢字能力検定2級

1日職業体験

D 地域振興・清掃ボランティア
E 日本漢字能力検定準2級

 

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3年4月(始業式後すぐ)に着手すべきこと

①志願する大学の出願基準を調べる

志願する大学が評定平均値を推薦入試の出願基準として盛り込んでいないか、ホームページや応募要項で調べましょう。

 

自分で調べられなかった場合は、各高校の進路指導室にあると思いますが、前年度の応募要項やパンフレット、エイビ進学ナビ編集部が出版している「全国大学・短期大学推薦入学年鑑」、「全国大学・短期大学AO入試年鑑」、または旺文社が出版している「蛍雪時代 全国大学 AO入試・推薦入試年鑑」で調べてください。

 

以下の書籍は、いずれも昨年度用です。

 

全国大学・短期大学推薦入学年鑑2020年入学者用

 

全国大学・短期大学AO入試年鑑2020年入学者用

 

螢雪時代9月臨時増刊 全国大学 推薦・AO入試年鑑(2020年入試対策用) (旺文社螢雪時代)

 

②3年生の1学期にあとどれくらいの評定を取らなければいけないかを計算する

推薦入試に必要な調査書には、3年生1学期までの評定平均値が印字されます。

 

そのため、4月になりましたら、例えば評定平均値を4.3に高めるという目標を立てた場合、3年1学期にどれだけの評定を獲得すればよいのかを担任の先生に計算してもらうことをお勧めします。

 

③評定平均の目標値クリアに向けて、1学期は学校の勉強を疎かにせず、全力で取り組む

評定平均値は、受験生の常日頃の学習姿勢と学習意欲、学習能力を端的に表わすデータとなりますので、学習面での評価材料としては最大のものとなります。

 

そのため、A段階を目指して学校の勉強を疎かにしないようにしましょう。

 

それが引いては、一般入試の学力向上にも繋がるのです。

 

④学内・学外活動ランクを参考にして何らかの活動を行い、調査書の内容を充実させる

相当な数の受験生が推薦入試に出願するわけですので、大学からしてみると、出来ることなら選考は明快で客観的、かつ簡易的に行いたいと思っているはずです。

 

そのため、私が示したように、学内・学外活動をランクに分けて点数化して、また評定平均値や出欠席の回数も点数化して、目に見える形に直して合否を決定する判断材料にしているのではないかと考えています。

 

1学期の始業式すぐ後に、委員会や係決めをすると思います。

 

まだ2年間で、これといった活動をしてきてないなと感じているようでしたら、ぜひ学級委員長や部活動の部長に立候補してみてはどうでしょうか?

 

ただし、任命されたからには、きちんとその職責を全うしてくださいね!

 

ボランティア活動や短期ホームステイ、英検や漢検取得に向けた学習などはいまからでも着手可能だと思いますので、推薦入試をお考えの方は調査書の内容を充実させるためにもチャレンジしてみてください。

 

お住まいの区市町村のホームページをご覧になれば、ボランティアを紹介してくれている行政機関も多いと思います。

 

この機会に、短期でボランティアを行ってみてはどうでしょうか?

 

これらの活動は、調査書の内容を充実させるだけではありません。

 

例えば、クラスや部を束ねることでリーダーシップや協調性が身に付き、ボランティアを行うことでホスピタリティの精神が身に付くなど、活動が豊富であればあるほど、志望理由書の内容に厚みを持たせる材料にもなりますし、面接で自己アピールをする材料にもなります。

 

このままではすかすかな調査書になりそうだと考えている方は、今日から行動あるのみです!

 

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出願前に行うこと

①調査書に特筆してほしいことを担任の先生に伝える

自分が行ってきた活動やアピールしてほしいポイントを担任の先生が把握していない、または調査書に盛り込んでいない場合があります。

 

せっかく活動してきたのに、そのことが大学側にアピールできないのはもったいないですので、必ず担任の先生に伝えましょう。

 

記載する材料が増えれば担任の先生も調査書作成がスムーズに行えますので、遠慮せず伝えてみてください。

 

②調査書の内容を教えてもらう

調査書の内容と、志望理由書や面接でアピールした事項に食い違いがあると評価に影響する可能性があります。

 

また、面接では調査書の内容も質問の材料となりますので、あらかじめどのような質問が投げかけられるかを予想するためにも、調査書の内容は把握しておくのに越したことはありません。

 

可能であれば、担任の先生に頼んで見せてもらってください。

 

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推薦入試有効活用のススメ

大学推薦入試の入り口となる調査書についてご理解いただけたと思います。

 

評定段階があることを知って焦ってしまった方もいると思いますが、3年1学期に奮起して評定平均値を0.5上げた生徒もいます。

 

最後の最後まで諦めることなく、どん欲に評定平均値の上昇に努めましょう。

 

推薦入試を受験することを決めた途端、中には受験勉強の手を緩める生徒がいますが、あくまで最後は一般入試を受験することが大前提です。

 

3年1学期終了までは、評定平均値を高めるためにも、学力・集中力を培うためにも、学校の勉強は疎かにしないようにしましょう!

 

当サイトでは、大学入試お役立ち情報を発信しておりますので、ぜひこの機会に推薦入試に関する知識を深めてください。

 

次回は「大学に評価される志望理由書とは?」について具体的に解説したいと思います。

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