子どもや部下を「叱る・注意する」ときの留意点

知的生き方

こんにちは。

本日は、子どもや部下と上手くコミュニケーションを取るためにすべきこと〜「叱る」「注意する」ときの留意点についてです。

新年度が始まります。出会いの季節となりました。私たち教育の世界では、新たな子どもたちと接することになるので、非常に神経を使う時期となります。ビジネスの世界でも新入社員が会社の一員に加わりますので、彼らと密に関わり、「人財」として育て上げなければなりません。本日は、私の経験に照らして、子どもと上手くコミュニケーションを取るために必要なこと、「叱る」「注意する」際に留意すべき点についてお話ししたいと思います。先生に限らず、お子さんとの接し方や、部下との接し方にも通じるところが多いと思いますので、ぜひお役立ていただければと思います。

 

スポンサーリンク

はじめに

クモは捕食するときに糸を張りめぐらせるわけですが、ただやみくもに張っていたのでは獲物はかかりません。だから、獲物の気持ちになりきって糸を張るのです。

同じように、釣りをする人は、ただやみくもに糸を垂らしていたのでは魚はかかりません。魚の気持ちになりきって糸を垂らし、微妙な手捌てさばきによってとうとう魚を釣り上げるのです。これを、現代思想の用語では「コード横断」と言います。生まれも育ちも異なる自己と他者は、当たり前ですが互いに異なるコード(=記号。システム。)を持っています。その異なるコードを持った者同士が接触し、理解し合うためには、互いにコードを相手に合わせることが必要になるのです。

むかし、こんなテレビCMがありました。自慢の懐中時計を持っている男と、長くて美しいブロンドの女性がいました。2人は恋人同士です。その2人が、互いに贈り物をし合うのですが、男は懐中時計を手放して女のために美しい櫛を手に入れます。一方、女はきれいなブロンドをバッサリ切って売り、その資金をもとに男のために懐中時計の鎖を買うのです。切ないですが、互いに相手のことを思いやる、見事な「コード横断」だと思いませんか?これこそ、円滑な人間関係を構築する上で大前提になる事例だと思います。

ママ、怒らないで。不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病

マンガでよくわかる 子どもが変わる 怒らない子育て

 

スポンサーリンク

「叱る」「注意する」際のプロセス

いきなり叱る人がいますね。こういった先生で、生徒から信頼されている方を見たことがありません。子どもを教育するのに、「単刀直入」はありません。私は生徒を指導するときは、必ず以下のようなプロセスを経ます。

 

世間話→褒める→注意→期待

 

まず、その生徒が興味のあること、またはその生徒の環境にまつわることで雑談をします。その2つのことに関して、生徒には何かしら努力していることが少なからずあるはずです。そこを、まず褒めます。「でも、この部分がもったいないよね」と注意をした後、今後も期待しているという一言を付け加えて注意を終えます。これで反発したり、その後改善しようと努めなかった生徒はあまり見たことがありません。中には反発する生徒もいますが、同じことを、同じようなプロセスで言葉を変えて根気よく説諭すればよいのです

生徒の興味・関心や、生徒の環境を熟知していない人に、その生徒を注意する資格はないと思います。時には、よくそこまで見ているなと思わせるくらいでなければなりません。これは、相手が自分の子どもでも自分の部下・後輩でも変わるものではありません。労力を惜しまず、まずは相手の土俵に立って話をすることから、「叱る」という行為は開始するのです。

アンガーマネジメント 怒らない伝え方

 

スポンサーリンク

「叱る」「注意する」際の接し方

今の若い人は、威圧されることを極端に嫌います。学校教育において、そういう指導のされ方をしてきていないからです。そのため、以下のことに注意して指導するようにしています。

 

・2人のテリトリーを作る

・目線を合わせる

・時には笑顔を見せる

・同性に限り、ボディタッチ

 

多くの人の面前で叱る人がいますが、百害あって一利なしです叱っている本人は気持ちがいいかもしれませんが、叱られている方は緊張や恥ずかしさ、屈辱感などで頭が真っ白になって、注意の内容などはほとんど頭に入っていないと思います。中には、一生トラウマになる子どももいるのではないかと思います。

私は指導する時、必ず教室の四隅のどちらか、または廊下の隅で前述したプロセスで叱ります。まずは、2人きりのテリトリーを作って、相手を落ち着かせることから有効な注意は始まるのです。そして、大事なのが、相手の目線に合わせることです。相手が座っているなら、膝を折ったり、屈んだりして相手の顔と同じ位置まで下がります。ただ、こちらも椅子に座ってしまうと、ほどよい緊張感もなくなってしまうので、私は座りません。立った状態から、敢えて身を屈ませるのです。間違っても、高い位置から叱るようなことは避けてください。

マンガでわかる怒らない子育て

 

スポンサーリンク

自分の失敗も述べる

上記の2つで、かなり効果的に注意ができると思いますが、プラスαとして申し上げるなら、私は大抵自分の失敗談も付け加えます。自分も失敗したからこそ、自分と同じ過ちは犯して欲しくない、または自分はその失敗を改善してより良い生き方に変わったと訴えのです。

前記したことですが、今の若者は威圧を毛嫌いします。そのため、注意する側も出来る限り相手と同じ目線に立って、自分が完成者であるという意識は捨て、自分の価値観を人に押し付け、まるで自分の生き方が模範解答であるかのように振る舞わないことです。

 

スポンサーリンク

まとめ

以上が、私が生徒を「叱る」「注意する」ときに必ずしてきたことの方法論です。「子どもは親の背中を見て育つ」とはよく言ったもので、まさにその通りだと思います。注意する側が、注意する人間として不適格なことをしていたのでは説得力がありませんし、相手の反感を買うのみです。叱ると言うことは、これだけ奥が深いのです。お互いが成長するつもりで、子どもや部下、後進の指導に取り組むように心掛けてください。

 

次の記事を読む

前の記事を読む

関連記事

 

みなさんのリアクションが心の支えです!

気に入っていただけましたら、シェア、ブックマーク、コメント、よろしくお願いします(//∇//)

コメント

タイトルとURLをコピーしました