おもてなしの心はどこから来たのか?

知的生き方
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はじめに

本日は、おもてなしの心についてです。

2020年のオリンピック開催国を決めるIOC総会で、滝川クリステルさんが合掌しながら「お・も・て・な・し」と世界に向けて日本の文化的精神を訴えかけていた姿が思い出されます。

要は、日本には「おもてなし」という一種の優れたホスピタリティの精神みたいなものがあって、アスリートを、そして観戦に訪れる世界中の人々を日本特有の気配りと心配りで歓待し、心から満足させますと宣言しているわけです。

聞きようによっては、随分手前味噌なプレゼンテーションに聞こえなくもありませんが、それを聞いていた全世界の人から異議申し立ての言葉が全く噴出せず、確かにそうだと平然と受け止められたことに、私は非常に驚いたとともに誇らしい気分になったのを今でも覚えています。

では、この世界を納得させる日本の「おもてなし」の心とは、どのようにして我々の心に芽生えたのでしょうか?

生徒に聞かれることが非常に多い質問の1つですが、今日はこの「おもてなし」について、そして日本はやはり素晴らしい国であるということについてお話していこうと思います。

 

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いざ、資源立国へ

国際連合の関連機関が毎年報告している「世界幸福度レポート」が先日発表されました。先進国である日本の幸福度は決して高くはなく、5年前は53位、昨年は58位、そして2020年は62位でした。2017年を除いて、年々悪化しています。この順位を聞いてもあまり意外に思わないところが、日本の悲しいところですかね。

 

世界幸福度レポート

2016年 53位

2017年 51位

2018年 54位

2019年 58位

2020年 62位

 

同じような順位ですが、日本の国土面積は、377975㎢とそれほど大きくはなく、世界第61位です。しかしです、海洋面積は広大で、天然資源の主権的権利を有すると認められる排他的経済水域(EEZ)は、447938 ㎢で世界第8位です。そして、その広い広い日本の海の底には、なんと海洋資源が豊富に眠っていることが分かっています。金、銀、石油、そしていま世界で注目を浴びているメタンハイドレートまでも豊かに埋蔵しています。メタンハイドレートという名前は聞き慣れないかもしれないが、しばしば「燃える氷」と呼ばれ、石油や石炭と比べて燃焼時の二酸化炭素排出量が半分ないし3分の2と少なく、未来のクリーンなエネルギー資源として注目されています。まだ調査段階で発掘はされていないのですが、研究開発が進めば、日本は資源立国としての側面も担うかもしれません。

観光やサービス産業では世界をリードする日本ですが、かつては高い技術を誇っていた工業製品の輸出も、安価で高スペックの商品を次から次に市場に送り出す中国やインドの影に怯える状態が続き、日本経済の先行きが不安である中で、この海洋資源埋蔵についての研究結果は明るい話題と言えます。

超高齢化社会に片足を突っ込み、社会保障費を捻出するだけの余力を生み出す経済基盤もなく、十分な額の年金も支給される希望が持てない日本人のやるせなさが62位という数字には表れていますが、メタンハイドレートの資源開発が進めば、オイルマネーならぬメタンマネーが日本の順位を押し上げてくれるかもしれませんね。

 

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日本のサービス産業がすごいわけ

以前、こんなテレビ番組の企画がありました。果物を落としたときに、各国の人々はその果物をどのようにして拾ってくれるのか。

ほとんどの国の人が転がる果物を平然と足で受け止めて拾い上げるところを、日本人だけがきちんと手で果物を拾い上げていました。これこそ日本人の美徳ですよね。食べ物を粗末にしない。我々にとっては当たり前のことですが、これは世界の常識ではないのです。日本には太古の昔から、精霊信仰が受け継がれてきました。簡単に言えば、全てのものには神が宿っているという考え方です。例えば、登山をすると、決まって山頂にはほこらやしろがありますよね。あれは、山の神をまつっているのです。また、建物を建てる際にも地鎮祭を行います。大きな木を切るときにも、木の精霊に赦しを乞います。シシ神や木霊こだまが登場するジブリ映画「もののけ姫」は、この精霊信仰に基づいています。このように、あらゆるものには魂が宿っていると考えるのが、日本人のアイデンティティなのです。「いただきます」や「ごちそうさまでした」という言葉は、人間のために命を差し出してくれた動植物に対しての鎮魂の言葉でもあるのです。

また、この考え方は、人であれ自然であれ物質であれ、あらゆるものに対して敬意を払うという精神を我々日本人に与えてくれました。だからこそ、人におもてなしをするサービス産業では、日本は断トツで諸外国をリードできるのです。真似しようと思って真似できるものではないのです、なんせ太古の昔から脈々と受け継がれてきたものなのですから。

JALファーストクラスのチーフCAを務めた「おもてなし達人」が教える “心づかい”の極意

リッツ・カールトンで学んだ マンガでわかる超一流のおもてなし

 

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まとめ

こういった日本人の美徳が、誠実さ・思いやり・丁寧さの源流になっているのでしょう。

是非とも次代に継承し、世界に発信していきたいものです。筆者には7歳になる息子がいますが、男の子なのでやはり新幹線や飛行機が大好きで、幼稚園に上がる前からよく東京駅や羽田空港に連れて行きました。その途中で頻繁に電車を乗り換えるのですが、毎回あることに驚かされます。それは、100%の確率で席を譲られるということです。しかも、譲ってくれるのは若者ばかりなのです。これを書いている今も、涙があふれ出そうです。

電車の中でのベビーカー使用に目くじらを立てる心の貧しい人や、子どもの泣き声がうるさいと苦言を呈する心の狭い方も、そりゃあ、1億人も国民がいれば中にはそのような方もいると思いますが、私は出会ったことがないですね。ほんの極一部の人間を取り上げて、メディアが話題作りのために「日本オワタ」みたいに言っている気がしてなりません。

日本はすごい。何がすごいかって、心、品位の面で優れているところです。これは文化と同じようなもので、一朝一夕には培われるものではありません。こうした面で、日本人を尊敬している国が非常に多いのもまた事実です。例えば、欧米のレストランでは、同じアジア系の客でも、それが日本人だと分かると安心して一気に歓迎ムードになるとか。テーブルマナーはもとより、店内でのエチケットを遵守し、トイレも汚さないからだそうです。やはりこれも、我々からすると当たり前なのですけどね。もう一度繰り返します、当たり前だと思っている日本、すげー。

 

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