はじめに
新年度が幕を開けましたね。コロナが猛威を奮っていますが、幸先の良いスタートは切れたでしょうか。前回の記事で、新年度に向けて「目標・信念を持つことの重要性」についてお話ししましたので、本日はその新年度に向けて、知らないと恥ずかしい「PDCAサイクル」というビジネス用語をご紹介します。ただ、今回私が紹介するのは、その進化版となる「未来志向型PDCA」ですので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
PDCAサイクルとは?
「PDCAサイクル」という言葉をご存知でしょうか?会社にお勤めの方は、社内研修などで聞いた記憶もあると思います。現在ではかなり周知されて来たビジネス用語です。PDCAサイクルを考える上でのアドバイスを含めて紹介すると、下記のようになります。
P=Plan(計画)
*具体的な「行動目標」と「成果目標」を策定する。その際、成果目標は数値(◯%達成など)にすると、後の「Check(評価)」でそのPlanが成功なのか失敗なのかが判定しやすくなります。
D=Do(実行)
C=Check(評価)
*行動目標は適切に履行されたか、そして成果が成果目標に対してどれほど到達できたかを判定します。
A=Act(ion) (改善)
*Checkの反省を踏まえた改善策を立案し、次のPlanの再構築に活かします。
これら各項目の、それぞれの頭文字を取って「PDCAサイクル」と呼んでいます。計画性のない仕事は必ず頓挫します。また、物事の良し悪しについて評価(反省)することなしにはいつまでたってもパフォーマンスの向上は望めません。まずはPlanをしっかり練ることです。このPlanがしっかり立案されていない成果は単なるラッキーに過ぎず、根拠のない再生不可能な(=再び繰り返すことができない)「危うい成果」と言えるでしょう。Planを具体的に立てるのは、これから自分が取り組まなければならない事柄の可視化となりますので、いずれ自分の仕事を楽にもします。手を抜かず、しっかり入念にPlanを構築しましょう。
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PDCAサイクルの具体例
私は毎年、担任として30人程度の生徒をまとめなければならないので、その都度計画を立てます。我流ですが、私のPDCAには「大目標」と「小目標」があって、簡略化した例を示すと、次のようになります。(架空の計画です)
大目標(年間計画)
P
成果目標
・クラス全員が第1志望校に合格
・クラス偏差値平均55以上
行動目標
年間計画(月ごとの具体的な計画)
D
行動目標に沿った行動
C
成果目標とのギャップ
・偏差値平均は52.7にとどまる
・第1志望校に進学したのは15人、浪人3人(30人中)
行動目標とのギャップ
推薦の生徒にかかりきりになる時期があり、一般入試に向けた対策が後手に回ったことが原因か?など
A
反省を踏まえた計画の再構築(次年度用)
以上が「大目標」です。実物計画表はA3用紙1枚ほどで、Checkも具体的に行います。次に示すのが年間計画を細分化した「小目標」です。

小目標(4〜6月期計画)
P
成果目標
・6月の模試でクラス偏差値平均3アップ
・得意科目(偏差値60位上の科目)を作らせる
行動目標
・個人面談にて各種アドバイス
・学習時間を増加させる
・苦手・得意科目の学習動画視聴を促す
D
行動目標に沿った行動
C
成果目標とのギャップ
・偏差値平均は1.8アップにとどまる
(模試の出題分野を意識した勉強をさせなかったため、偏差値の大幅な上昇が出来なかったか?)
行動目標とのギャップ
・苦手分野を細かくリストアップせず、やみくもに動画視聴をしている生徒がいた。
・動画の講義内容の難易度が高く、視聴を途中で断念した生徒がいた。
A
反省を踏まえ、次の模試までの計画を再構築(7〜9月期の計画用)
大目標だけでは単に「スローガン化」してしまいますので、必ず短期スパンの「小目標」を設定します。そうすれば、毎回小目標が評価・改善されて次の小目標に引き継がれるわけですので、最終的に大目標の達成にも繋がりやすくなるのです。よく「PDCAを回す」と言われることがありますが、それはひとえにこのPDCAサイクルが次の自分のパフォーマンスを向上させるために輪廻を繰り返すからなのです。
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Actionは「改善」ではなく「未来志向の改変」
成果目標を達成、または大幅に成果が上回ったからと言って、従来のPlanをそのまま使い回すのは危険です。
俳聖松尾芭蕉の文学理論に「不易流行」というものがありますが、「不易」とは変わらないこと、「流行」とは移り変わることを指しています。俳句は五七五の定形で、かつ季語を必ず詠み込まなければなりません。そういった伝統的な決まり事は変化しないものとして守り、しかしそこに盛り込む詩情は時代や社会に即して変化させた軽妙洒脱なものにしなければならない、ということを意味しています。
昨日も申し上げましたが、時代や社会は日々流動しています。どの時代にも通用する1つの真理や正解などこの世にはないのです。だから、常に時代や社会のニーズを読み取り、そしてそのさらに先のニーズも予見していく姿勢、「改善」というよりは「未来志向型改変」という意識を持たなければならないのです。
例えば、私はこのブログを通じてかなり強調して執筆していますが、これからの入試超難化時代を乗り切るためには、推薦入試を利用した受験の体制が必要になってくるという予見のもと、4月当初から推薦のシステムについて生徒に理解してもらうプログラムを計画に取り入れました。だから、昨年度はほぼ全員の進学を達成できたのです。
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まとめ
現在ではPlanの前に情報収集や分析をするべきだという声や、逆に時代の流れに乗り遅れないために、Planの前に即Doをするべきだなどという意見もあります。そもそも、PDCAはもう古いと主張する人もいますが、これらの方々は私が本日示したような工夫をしていないだけではないでしょうか。
初めてこのサイクルを用いる方は、まず私が紹介した未来志向型PDCA(大目標と小目標)を回してみて、それを自分なりに「守破離」すればよいと思います。コロナの影響で、予想だにし得なかった幕開けとなりましたが、だからこそ入念なPlanの構築に努めてください。
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