こんにちは。
新型肺炎による緊急事態宣言が出されましたが、健やかにお過ごしでしょうか。本日、筆者は自宅にいたのですが、午前中から緊急事態宣言を伝える町内アナウンスが流れてきて、世の中が大変な事態になったことを改めて実感しました。これからも、みなさんが不安や憂鬱を少しでも紛らすことができるようなコンテンツを発信できるよう、全力で文章を綴っていけたらと考えています。
本日は、私がよく生徒に語って聞かせるヒーロー、幾度となくゴッサムシティを窮地から救い出す「バットマン」の不屈の精神についてお話ししようと思います。そして、少しでもみなさんに元気と勇気を提供できたらと考えています。
はじめに
みなさんは、「バットマン」をご覧になったことはありますか。私は、昨年のホアキン・フェニックス主演の話題作「Joker」が公開されたのを機に、映画版「バットマン」をレンタルして観たのですが、すっかり夢中になってしまいました。
1989年より現在まで8本の作品が上映され、2021年6月25日に最新作の公開が決定しているバットマンですが、今まで色々な俳優が演じてきました。私が観たのはシリーズ最高のヒットとなったクリスチャン・ベールが演じるバットマンです。ちなみに、渡辺謙も出演していますよ。本日は、ネタバレにならない程度に、バットマンの魅力に迫りたいと思います。


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なぜ戦うのか?
バットマン扮するブルース・ウェインは億万長者です。しかし、金持ちの道楽として、彼は日夜戦っている訳ではありません。私は、小学生の時にアニメ版を観ていましたが、今までそのように勘違いしていました。しかし、バットマンには壮絶な過去があったのです。
彼の父親トーマス・ウェインはウェイン産業のオーナーで、巨万の富を築いていました。しかし、トーマスは会社のマネジメントの一切をを部下たちに任せ、自身は医者として、そして実業家として貧しい人々を救う奉仕活動を行っていたのです。
ここには、西洋貴族の美徳であるノーブレス・オブリージュの精神が表れています。「ノブレス・オブリージュ」とは、しばしば「高貴なる義務」と和訳されるフランス語で、社会的権力や地位、財産を有する者は、同時に義務も有しているという崇高な理念です。以前、NHKで、吉田茂のブレーンとして活躍し、敗戦後の日本復興に尽力した白州次郎がドラマ化されていましたが、そのドラマの中で伊勢谷友介さん演じる白州次郎が、ノブレス・オブリージュの解釈をこういう言葉で言い表していました。
「持てる者は、持たざる者に与える義務がある」(=それを保持している人間は、それを保持していない人間に恩恵を施す義務がある。)
つまり、富や名誉、地位といったものは選ばれた者に与えられた特権であるので、その選ばれた者はその特権を他の人間の利潤のために行使しなければならない、ということです。トーマスはこの尊い理念の体現者だったのです。
しかし、ブルースがまだ幼い頃、オペラを観た帰り道にブルースとその両親は強盗に襲撃されます。結果、両親は射殺され、ブルースは幼くして天涯孤独の身になるのです。莫大な遺産を受け継いだブルースですが、心は復讐心に燃えたぎっています。そして、彼は父の意志を継いで、汚職と不正、悪が蔓延るゴッサムシティを救うためにバットマンに変身するのです。

なぜコウモリなのか?
そもそも、なぜバットマン(=bat man。コウモリ男)なのでしょうか。その理由は、先ほどのオペラの話に遡るのですが、その日のオペラの演目は「コウモリ男」なのです。映画の中では一部分しか映し出されていませんが、そのオペラにはコウモリ男が人々を襲う場面があり、その場合を観ていた少年ブルースは怖くて仕方なくなり、挙げ句の果てにトーマスに劇場を出たいと告げるのです。優しくて聡明な父トーマスは、ブルースの願いを聞き入れて3人で劇場を後にします。妻のマーサがなぜ退席したのかを尋ねると、トーマスは自分が出たくなったのだと言ってブルースをかばいます。
そこに、先ほども申し上げた通り、強盗が襲撃してきて、トーマスとマーサは無残にも銃殺されるのです。
「あのとき、僕がもう少し(コウモリ男の)恐怖に耐えていれば(劇場を出て襲撃されることもなかった)・・・」
コウモリは、ブルースにとって自分の弱さと屈辱、そして復讐心をいつまでも忘れないための装置なのです。
臥薪嘗胆という四字熟語が相応しいですが、まさに薪の上に臥し、肝を嘗めるような気持ちでブルースは変身しているのです。
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映画の中に出てくる名言
ネタバレにならないもので2つ紹介します。
①人はなぜ墜ちるのか。這い上がることを学ぶためだ。
(And why do we fall,Bruce? we can learn to pick ourselves up.)
幼い時に、井戸に落ちて意識が朦朧とするブルースにトーマスがかけた言葉です。
この言葉は、たびたびブルースの不屈の精神を燃え立たせるトリガー(=銃の引き金)となります。
②人の心は分からない。でも本性は行動に出る。
(It’s not who I am underneath…but what I do that defines me.)
毎夜女性を同伴して放蕩にふけるブルースに対して、幼なじみの地方検事レイチェルが投げかける言葉です。要するに、「サイテーね」と言ってるわけですが、ブルースがプレイボーイになるにはそれなりの理由があるのです・・・

まとめ
私はブルースがバットマン(コウモリ男)に変身する理由を知った時、「バットマン」という作品に魅了されてしまいました。人間は、自分の中に弱さや悔しさを抱えていると思います。「あの時、ああしていれば・・・」という、取り返しのつかない自責と後悔を抱えていると思います。しかし、ブルースはその過去に蓋をすることなく、落ちては這い上がり、落ちては這い上がりを繰り返し、父の意志を継いで不屈の精神でゴッサムシティを守り、「あの日」を超えていこうとするのです。
コロナウイルスで毎日不安や憂鬱の日々が続いていると思います。この先の生活の見通しが立たずに、ご自宅で苦しんでいる方がたくさんいると思います。しかし、不屈の心を持ってこの難局に立ち向かい、この緊急事態を何とか乗り越えましょう。「人間はなぜ墜ちるのか。這い上がること学ぶため」なのですから。
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